綾城 初穂(アヤシロ ハツホ)
専門分野
- 臨床心理学
- 教育相談
- 質的研究
所属学会
- 日本心理学会
- 日本心理臨床学会
- 日本質的心理学会
- 日本教育心理学会
論文・著書
- 綾城初穂 (2020). 二つの位置づけから考えるナラティヴ・セラピー 国重浩一 (編著) ナラティヴ・セラピーのダイアログ:他者と紡ぐ治療的会話,その<言語>を求めて 北大路書房 pp. 61-79.
- 綾城初穂 (2019) ディスコースの視点から見た親面接の理解と意義 心理臨床学研究, 37(1). 61-72.
- ナラティヴからみた日本の幸福感―バークのペンタドに基づく自由記述の構造分析. 2019, 駒沢学園心理相談センター紀要, 15, 3-22. (共著)
- Reproducing dominant discourses for therapy: Discourse analysis of a Japanese client’s therapy. 2016, Journal of Systemic Therapies. 35(1), 37-51.
ゼミ紹介・授業紹介
私の臨床実践の主な専門は、児童生徒や保護者への心理支援、教員へのコンサルテーションなど学校領域になります。また、ここ数年はナラティヴセラピーに強い関心があり、学びつつ実践を行っています。ただしゼミでは、こうした特定領域を取り上げるというより、学生個々人の関心を心理学の研究法を用いて深めていくことを目指します。特に本ゼミでは質的研究法を取り上げます。
私たちは生きている中で、色々な意味を感じて生活しています。これは、“こころ”があるからです。ただし、こうした意味は人によってかなり多様なため、なかなか数値だけでは研究しきれません。心理学というと統計を使った量的研究法を想定する人も多いと思いますが、こうした意味を通して“こころ”を研究する上では、質的研究法が役に立ちます。
本ゼミではこの質的研究法を学び、“こころ”について批判的に吟味します。たとえば、ある語りを分析してその人の“こころ”を推測したり、会話場面を分析してそこで“こころ”がどう交流しているかを考えたりしていきます。なお「批判的」と言っても、何かを非難するわけではありません。“本当にそうだろうか”という疑問を大事にする、といった意味です。“こころ”の多様性を大事にすること、と言っても良いかもしれません。多様性を大事にすることはけっこう力が必要で骨も折れますが、誰かと生きていく上では欠かせないので、皆さんの生活や将来にもきっと役に立つはずです。大学の学びを通して、“こころ”の多様性をみる視点を自分のものにしていただければ幸いです。