下川 雅弘(シモカワ マサヒロ)

専門分野

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所属学会

私の研究紹介

京都で生まれた私は、中学・高校生の頃に地元の中世城郭を巡るのが大好きで、大学は迷わず史学科を選びました。ただ、当時はまだ城郭考古学がさかんではなく、卒論では京都郊外の城主たちが結んだ領主の一揆の性質を、中世の文献史料から考察しました。その中で私は、一揆が要求を通すために金品を贈っていることに注目しました。

これをきっかけとして、京都周辺の人々が戦乱の時代を生き抜くために果たした贈り物の役割を、彼らが残した中世の手紙や日記から解明する贈答文化論を、自身の研究テーマに設定しました。研究のフィールドは一貫して京都周辺なのですが、近年では地元京都の文化伝承にも興味を持っています。京都の歴史的・文化的特徴は、千年にわたって都が置かれていたことを抜きには語れないでしょう。

そこで最近は中世の研究から少し離れて、かつて朝廷に仕えていた人々の近代以降の動向と、彼らが京都の文化伝承に果たした役割についても、地元に残された史料の分析により研究を進めています。

私の授業紹介

自分にとって縁のある地域の文化に関心を持ち、その特徴を歴史資料や民俗資料から正しく捉え、そうした文化を未来に伝承する意識と技術を身に付けてもらうことを念頭において、私は授業で学生の皆さんに向き合っています。「地域文化概論」では、大学の所在地である東京都稲城市を事例として、地域文化の捉え方を学ぶとともに、各自が現在住んでいる地域の文化を調査し、その魅力を発表してもらいます。

「歴史資料論」や「民俗資料論」でも、稲城市の歴史資料・民俗資料を素材として、歴史資料の読解方法や民俗資料の調査方法を実践的に学びます。「日本文化入門Ⅰ」では、日本の世界遺産を題材に、「文化を未来に伝承するとはどういうことか」について全員で意見交換をします。「日本の文化と歴史Ⅰ・Ⅱ」は、日本の年中行事や祭りを通して、日本文化の特徴を各自が考える授業です。「日本文化実習」では、江戸時代に書かれた京都の名所案内記を読んだ上で、皆さんが興味を抱いた事項を調べるために現地を訪れます。

受験生・在学生へのメッセージ

皆さんの足元にある地域の文化、さらには日本の文化について興味と理解を深めるためにも、時間とお金の許す限りで、各地の史跡・名所や博物館を実際にできるだけたくさん訪れるよう、ぜひ心がけてみてください。

私の研究と授業 リンク