佐々木 俊道(ササキ シュンドウ)
専門分野
- 仏教学(日本)
- 仏教民俗学
- 宗教人類学
担当授業
- 仏教学Ⅰ
- 仏教学Ⅱ
- 基礎ゼミⅠ
- 基礎ゼミⅡ
- 日本の文化
所属学会
- 日本印度学仏教学会
- 日本佛教学会
- 駒沢宗教学研究会
- 駒沢大学仏教学研究会
私の研究紹介
私は曹洞宗の寺の長男として生まれ、現在は住職でもあります。幼いころから檀家さんから寺を継承することを期待されて育ちました。しかし、なぜ将来の職業まで決められなければならないのか疑問に思っていました。そこで自分とは一体、何者なのか、いわゆる自分探しをするために大学院では仏教や禅を専門に研究したいと考え現在にいたっております。
その過程で特にお釈迦様がはじめたインド発の仏教がさまざまな地域に伝播し全く異なる宗教のように変容していることに惹かれました。日本に伝来した外来の宗教である仏教は、いにしえから土着宗教として存在している神々の信仰と習合して現在に至っております。
曹洞宗の寺は、その地域にもともとある天狗や龍神、稲荷等を取り込み、寺院縁起等で教えという根拠を与えることによって、それらの御利益をバージョンアップして教線を拡大してきました。さらに霊魂観も仏教と一緒になって、供養としての魂鎮めを僧侶が担うようになりました。
このように私の研究は仏教を信仰だけではなく儀礼等も含めた文化事象として扱っております。現在では、異文化に対して寛容な日本の仏教文化を世界に発信することが平和や環境問題を考えるヒントになるのではないかと日々、思索しております。
私の授業紹介
「日本の文化」では日本文化に多大な影響を与えた仏教文化を中心に授業を進めていきます。誰でも挨拶という言葉を知っており日常生活で実践し無意識に文化として身に付けています。しかし、それが仏教・禅から派生した言葉であることは、ほとんどの人が知りません。日本文化そのものが、仏教・禅の影響を受けて現在に至っております。だから仏教を学ぶと日本文化を理解することができ、その中で生まれ育った「自分自身」を知ることができます。
つまり、この授業では挨拶のように自然に身に付いている日本文化における日常の「かたち」や「こころ」の歴史的背景を理解することができます。それによって無意識に行っているさまざまな行為を意識下に置くことにより自分自身の文化的背景を見直すことができるようにもなります。そこから日本文化において受け継いで後世に伝えていかなければならないものを判断する能力を獲得することができます。
受験生・在学生へのメッセージ
本学は道元禅師の教えを建学の精神とする仏教主義の大学です。私が本学を初めて訪れた時、すれ違う学生さんが皆、丁寧に挨拶をしてくださいました。その時の素晴らしい記憶は今でも鮮明に胸に焼き付いております。こちらにお世話になってから最初は「かたち」から真似ていた礼儀作法が、やがて身に付いて、礼儀正しい学生・生徒を育てているのだなということがわかりました。その伝統をぜひ、自覚して受け継いでください。