松村 良(マツムラ リョウ)

専門分野

日本近代文学(主に昭和戦前期の小説)

担当授業

所属学会

私の研究紹介

学部・大学院の頃から横光利一の小説を研究しています。横光利一は1920年代から40年代にかけて活躍した作家です。1924(大正13)年10月に川端康成らと同人雑誌『文芸時代』を創刊し、その斬新な作風により〈新感覚派〉と呼ばれました。来年はそれから丁度100年目に当たります。その後も次々と作風を変え、昭和戦前期をリードする作家になりましたが、第二次世界大戦での日本の敗戦後は、戦時中に戦争に加担した責任を問われ、失意のうちに1947(昭和22)年12月に亡くなっています。

同じ〈新感覚派〉として文壇に登場し、戦後日本ペンクラブ会長になり、ノーベル文学賞を受賞した川端康成と比べて、なぜ横光の小説は読まれなくなっていったのか、というのが私の研究のモチーフです。横光が活躍した昭和戦前期という時代や、雑誌メディアとの関わりについて今も研究を続けています。また『山月記』で有名な中島敦や、戦前の大衆向け児童文学雑誌『少年倶楽部』についても研究しています。

私の授業紹介

「言語表現演習Ⅰ・Ⅱ」は学群1年生の必修科目ですが、これは大学生として必要不可欠な日本語力を身に付けるための授業です。敬語や文法、文章の構成や表現の仕方について、これまで中学・高校の国語の授業で学んだことが本当に身に付いているかを確認し、大学生に必要な論理的思考を文章で表現する力や、社会人として仕事をするために求められるコミュニケーション力や説明する力を養成するための授業です。

「日本文学」は日本の近代文学を研究するための手ほどきを、芥川龍之介と太宰治という有名な作家の初期作品をもとに講義します。作家についての知識や、その小説のもとになった物語との比較などを行い、単なる物語内容の感想にとどまらない分析方法について解説します。「日本文化ゼミⅢ・Ⅳ」は4年生がそれぞれの研究成果をゼミ論にまとめるための演習形式の授業で、各自の研究成果を発表し、全員で意見交換をします。また、いくつかの文学作品をもとに、その中に描かれた近代以降の日本文化の特徴について考えます。

受験生・在学生へのメッセージ

最近の若者は本を読まなくなったとよく言われます。しかし大学生になったら、自分の研究テーマを見つけて、それを知るための本を読む必要があります。知りたいことを本を読んで理解したときの喜びを、ぜひ学生時代に体験してください。

私の研究と授業 リンク