コマジョスタイル2022の「情趣(じょうしゅ)」が竣工しました!
2023/11/17
賃貸集合住宅の内装を学生の提案したスタイルで改修する産学連携課題「コマジョスタイル」。2022年度3年生のスタジオ授業で提案し、優秀賞に選ばれた作品を採用した物件が完成し、4年生になった学生と教員で内覧会を行いました。
以下、完成写真と共に、並木さんのレポートをご紹介します。
作品名「情趣」 4年 並木彩音
すっかり変身した施工後の居室。
施工前のお部屋。
スタイル考案のこだわり
忙しい日常を過ごしている人が外のことを置いておいて、「ほっ」と一息つける場所でありたいと、過ごしやすさと収納スペースに重点を置いてデザインしました。
床に座ってリラックス。
窓側から見た居室。
収納スペースは、好みによって変えていただけるように、1つには床の間を設け、好みの飾り物を飾れるプランと、もう1つは洋服の色が映える壁と汚れが目立たない床をもつクローゼットプランの2パターン用意、提案。今回は並んで2つの収納スペースがあったので、どちらのパターンも実現をしてくださいました。
こだわった収納その1.床の間バージョン。
こだわった収納その2.クローゼットバージョン。
またワンルームタイプの賃貸は、玄関そばにキッチンがあるプランが多いので、奥にある居室がひらけた印象になるように、あえて玄関・キッチンエリアは少し暗めに、でも清潔感はあるようにと意識。トイレは明るめの雰囲気かつ和の要素を取り入れ、ペーパーホルダーやタオル掛けは黒のマット素材を用いてアクセントになるようになど、細部まで考えこだわりました。
正面居室がひらけたイメージになるよう色にこだわって。
黒マットのインテリアパーツがアクセントに。
デザインで難しかったこと、苦労したこと
20年前と比べ賃貸の和室が3分の1に減ってしまった事実を受け、和室にしかない良さもあると伝えたくて考案したプランです。しかし和室の雰囲気が強すぎると、若い世代からは好まれないかもしれないという懸念もありました。
そのため、和室と現代的な空間デザインを絶妙に融合させることに苦労しました。
また、住む人が心地よくくつろげる空間を提供したいという願いから、細部に至るまで意識してデザインしました。
キッチンユニットの扉をチェック。
つい先ほど施工したての巾木も確認中。
なかなか納得いく空間デザインができず、くじけそうになったときもありましたが、その苦労さえも振り返ってみると楽しかったです。思い描いていた、和室の持つ温かみと伝統的な美しさを残しつつ、現代のニーズにも応えるモダンな要素を取り入れたデザインを生み出せてよかったです。
並木さんオリジナルデザインの壁付け棚。
畳調の床材を市松に敷きこんで。
実現して、実物を拝見してみて
「感動と感謝」です。自分の脳内にある空間を、エスキースを重ねながら図面等で再現し、優秀作品として選んでいただけた上に、現実の空間が出来上がったことはもちろん初めての経験でした。実現した光景を見て「こんなに忠実に出来上がるなんて!」と、感動しました。
プランに少しでも近づくようにと、造作棚をつくってくださったり、床の間の床もレベル差をつけてくださったり、大工さん、東都さんへ感謝の連続でした。
大工さん手作りの棚に感動!
床板もしっかり再現してくれました!
ありがたいことに物件が出来上がる前に、私のプレゼンボードを見て入居を決めてくださったというお話を伺い、お客様がプレゼンボードを魅力的に感じてくださったこと、お勧めくださった東都さんへも感謝でいっぱいです(正直、あの部屋に住める方、うらやましいです!)。
これまでのコマジョスタイル2022の活動は、以下をご参照ください。
- コマジョスタイル2022の「凛」が竣工しました!
- コマジョスタイル2022の「情趣(じょうしゅ)」が竣工しました!
- コマジョスタイル2022の最優秀案が竣工しました!
- コマジョスタイル2022の学生作品が2つの物件で完成しました!
- コマジョスタイル2022入賞作品が決定! 実現に向けて進行中
- 産学連携課題「コマジョスタイル2022」企業プレゼンテーションを実施しました