「あなたは何タイプ?」――SNS時代の美は、私たちの身体を分類する 〜シリーズ「女子大で学ぶ」⑮

シリーズ「女子大で学ぶ」では、人間関係学科の教員が、女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。第15回は、SNS時代の美について考えます。

「あなたは何タイプ?」――SNS時代の美は、私たちの身体を分類する

ある報告書によると、女性の5人に2人近くが、理想的な外見や体型を手に入れることができるなら、1年以上の寿命を犠牲にしても構わないと回答しました(Dove 2024)。こうした極度な美の追求については、SNSやAIによって美のイメージが急速に拡散・再生産される現代において、外見へのプレッシャーが新しい形で強まっていることが指摘されています。

「イエベ?ブルベ?」※1 「骨格はストレート?ウェーブ?」※2 「スぺ120」※3……
SNSを見ていると、こんな言葉を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。自分に似合う色や服、メイクを知るための診断は楽しいし、「これが自分に似合うんだ!」と新しい発見をもたらしてくれることもあります。

しかし、私たちはいつからこのように自分の顔や身体を細かく分類するようになったのでしょうか。
「私はイエベだからこの色は似合わない」「骨格が○○だからこの服は着られない」「○○みたいになるにはスぺ120を目指さないと」。そんなふうに、自分の身体を診断結果やSNSの情報と比べてしまうことはありませんか。

「あなたには、あなたに似合う美しさがある」。この言葉は、一見すると、みんなが同じ美しさを目指す必要はないという素敵なメッセージに聞こえます。実際、パーソナルカラーや骨格診断を自分のおしゃれを楽しむために使うことはとても自由なことです。

一方で、現代の美の基準はなくなったのではなく、より細かく、私たち一人ひとりに合わせて現れるようになったのかもしれません。「美しくなれ」と直接言われる代わりに、「あなたに似合う方法で、もっと魅力的になろう」と語りかけられているのです。

美しさを楽しむことと、美しさに縛られることは、実はとても近いところにあります。
大切なのは、「私はこのタイプだからこうする」だけでなく、「私は本当にこれが好き?」と考えてみることです。

あなたの魅力は、イエベやブルベ、骨格タイプ、身長と体重の差だけでは測れません。

駒沢女子大学では、ルッキズムや美容医療などに関する授業があり、現代の多様な美の問題について考えることができます。


※1イエローベース、ブルーベースの略。肌の色や色味の分類。
※2骨格ストレート、ウェーブ、ナチュラル。身体の形の分類。
※3身長と体重の差をもとにした体型の目安。身長(cm)−体重(kg)=120となる体型を「スペック120」と呼び、理想的な体型の象徴としてSNSで広まった。

出典:Dove. The Real State of Beauty: A Global Report. 2024.

(小平沙紀)


“シリーズ「女子大で学ぶ」”について

このシリーズでは、人間関係学科の教員が、現代社会において女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。「もう男女で分ける時代じゃない、大事なのは“その人らしさ”」という考えに私たちも共感します。ただ、私たちは、そうした社会が実現するためにも、そうした社会で女性が生き抜いていくためにも、女性たちに寄り添った教育の場所が必要だと考えています。女子大学でさまざまな学生たちと接しながら、私たち教員が日々思うこと、考えていることについてお読みいただければ幸いです。

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