【人間関係学科(設置届出済)】テーマパーク×女子大 〜シリーズ「女子大で学ぶ」③
2024/08/01
シリーズ「女子大で学ぶ」では、人間関係学科(設置届出済、以下同)の教員が、女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。第3回は、テーマパークについて女子大で学ぶ意義を考えます。
先日、ゼミ生たちとサンリオピューロランドに行ってきました。プライベートで遊びに行ったのではなく、授業(人間関係ゼミ)の一環としてフィールドワーク調査をしに行ってきたのです。フィールドワークといっても、調査に徹するわけではありません。むしろ、カチューシャをつけ、アトラクションをまわり、お土産を吟味するなど、ピューロランドに来たらしたいことをひととおり楽しみます。それと同時並行で、“ピューロランドを楽しむ私たち”に目を向けてみるのです。
“ピューロランドを楽しむ私”から“ピューロランドを楽しむ私たち”に目を向けてみると世界が一気に広がります。周りの来園者がどのように楽しんでいるか、そもそもどんな人たちがピューロランドに来ているのか、何が人気なのか、私たちを楽しませてくれるピューロランド側の仕掛けはどうなっているのか。さらには楽しさの質や内容についてまで。
“ピューロランドを楽しむ私たち”の問題を突き詰めていくと、しだいに “テーマパークを楽しむ私たち”の問題へとますます関心が広がりをもつようになります。するとテーマパークの起源や現在までの変遷、世界各地のテーマパーク、各時代・各地での余暇の過ごし方についてなど、いつの間にか“ピューロランドを楽しむ私”は普遍性をもった研究テーマのなかに位置付けられてしまうのです。
女子大でテーマパークについて学び、研究できることは最大の強みです。それは当事者として問題に向き合えるだけでなく、テーマパークの先行研究には女性の視点が少ないためです。ピューロランドの先行研究も驚くほど限られています。
学生には、女性の“私”だからこそできる学びと研究に自信をもって取り組んでほしいと思っています。
(楠田恵美)
“シリーズ「女子大で学ぶ」”について
このシリーズでは、人間関係学科の教員が、現代社会において女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。「もう男女で分ける時代じゃない、大事なのは“その人らしさ”」という考えに私たちも共感します。ただ、私たちは、そうした社会が実現するためにも、そうした社会で女性が生き抜いていくためにも、女性たちに寄り添った教育の場所が必要だと考えています。女子大学でさまざまな学生たちと接しながら、私たち教員が日々思うこと、考えていることについてお読みいただければ幸いです。