学生に聞く「女子大のリアル」〜シリーズ「女子大で学ぶ」⑤
2024/09/26
シリーズ「女子大で学ぶ」では、人間関係学科の教員が、女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。第5回は、番外編。4年生のHさんとKさんに「女子大のリアル」を聞いてみました。
―もともと女子大に来るつもりだった?
Kさん:いえ、女子大じゃない方がいいかなって思っていました。きっかけは、推薦がとれたのと、あと授業内容を見て楽しそうだったから。
Hさん:私も学科で決めました。心理学ちょっと学びたいけど、幅広くほかのことも学びたくて。でも入ってよかったなって思う。
―入学前の女子大のイメージはどうだった?
H:女同士でギスギスしているとか、縄張りで揉めてるとか、よく聞いていたけど、入ったら全然そんなことなかった。
K:高校時代、女子同士で揉めたから、すごい怖いって思っていました。
H:でも実際には、逆に男の人がいないから男の人のことで揉めることもないし。
―え。高校生って男の子のことで揉めるの? 笑
H・K:揉めますよ。笑。
―笑。じゃあ女子大の方が平和?
H・K:だね、平和。平和です。
K:だって彼氏できたとか好きな人の話とか聞いたらもう逆に、すごいみんなで応援する。
H:で、何かやられたらね、みんなで守って。
―女子大に入ってよかったことはある?
K:はい。女性として強気になれる、仲間がいるって感じで強気になれる。授業でも、女性同士だから言いやすいことがある。
H:わかる。あと女子大の方が圧倒的に友だちを作りやすいです。話しかけても嫌がられない。もうめっちゃウェルカムって子が多いから、(入学当初)最初に話しかけたもん勝ちだと思ってどんどん話しかけてました。
K:共学のときはあんなに話しかけなかった。もうちょっと人目を気にしちゃう。自分を出しすぎないように……みたいな。
H:ね。逆に一人でいても全然気にならないし。
―授業に関して女子大の特徴ってある?
H:ジェンダーの話とか女性のライフコースの話題が多いのは女子大だからかなと思います。男の人がいたらそういうテーマにそこまで突っ込めないというか。ディスカッションでも、女しかいないからもうバンバンいっちゃう。あと、グループワークとか、人前で意見言いやすいのはすごいあります。男の人がいたら、絶対、初手とられちゃうけど、そういうのがないから。
K:就職活動を経験して、それはすごく思います。就活ではグループディスカッションとかで、やっぱり男の人が仕切る方が多いです。それは他大学と合同でゼミをやったときにも感じました。だけど女子大にいると主体性が出しやすい。
H:本当に人前でしゃべりやすくなった。就活のグループディスカッションでも、男性がいても話せますし。
K:うんうん。すごい話せるようになりました。
―逆に、女子大で大変なことはある?
K:男性の意見がわからなくなるときがある。女性だけの授業が多いから。ディスカッションでも、男の子がいたらどうだったんだろうって話したり。
H:まぁでも、ほかに女子大で困ることってない気がする。出会いがないとかも言うけど。でも共学行ってみんな恋人ができてるかっていったらほぼできてないし。だから結局、女子大の子が「共学だったら恋愛できた」って夢見てるだけで、実際はそうでもないっていうか。
……このあとも、恋愛から就職活動の話まで、雑談はまだまだ続きました。学生たちの声から「女子大のリアル」が少しでも伝わりましたら幸いです。
(聞き手:大貫 恵佳)
- ※ 「人間関係学科」の前身となる「人間文化学類 人間関係専攻」の先輩です。
“シリーズ「女子大で学ぶ」”について
このシリーズでは、人間関係学科の教員が、現代社会において女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。「もう男女で分ける時代じゃない、大事なのは“その人らしさ”」という考えに私たちも共感します。ただ、私たちは、そうした社会が実現するためにも、そうした社会で女性が生き抜いていくためにも、女性たちに寄り添った教育の場所が必要だと考えています。女子大学でさまざまな学生たちと接しながら、私たち教員が日々思うこと、考えていることについてお読みいただければ幸いです。