シンデレラ×女子大 〜シリーズ「女子大で学ぶ」⑭

シリーズ「女子大で学ぶ」では、人間関係学科の教員が、女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。
第14回は、シンデレラストーリーについて考えます。

皆さんは、王子様と恋に落ちる物語や映画は好きですか?

今回は、有名な物語『シンデレラ』には落とし穴があるという研究を紹介したいと思います。

シンデレラは「王子様に見初められて、恵まれない生活から抜け出す話」ですが、
映画化された映像や絵本の美しさもあって女の子が憧れるようなストーリーとして知られています。

しかしながら心理学の研究によると、シンデレラ物語を読んだり、幼少期にシンデレラ物語を好んでいたりすると、恋愛観が「ハイスペックな男性と恋愛や結婚をしたい」という相手の地位や経済状況を重視した恋愛観や、「女性の評価は結婚相手によって決まる」や「結婚相手が仕事で成功することは自分の価値を高める」といった男性依存的な恋愛観になってしまう可能性が指摘されています(麻生,2015; 麻生・坂元, 2024)。

こうした相手の地位や経済状況を重視した恋愛観は多くの女性がもちやすいものの、実は、恋愛関係の質や満足度を低下させてしまうそうです。

確かに、相手の内面を重視して選んだ相手ではない人との恋愛は、うまくいかない気もしてきます。

映画やドラマにおいても、シンデレラのように女性が恋愛や結婚を通して成功する、または女性は男性に選ばれる側となるというストーリーは多いですが、近年では「逃げ恥」の名前でヒットした漫画・ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のように男女間に地位や役割の差がほとんどなく、対等な関係を描いた作品も増えてきています。

皆さんが触れてきたメディア作品(マンガやドラマ、映画、小説など)には、どのようなものがあるでしょうか。
好きな作品を、恋愛観や性別役割などの観点から見返してみると、また新しい発見があるかもしれません。

(倉住友恵)

出典)
麻生 奈央子(2015).母親のロマンティック幻想と子どものメディアコンテンツ接触および嗜好との関係性─母親のメディアコンテンツに関する育児態度に着目して─ お茶の水女子大学人間文化創成科学論叢, 18, 69-­77.
麻生奈央子・坂元章(2024).青年期女子の実利主義的恋愛観の規定因─ファンタジー物語との接触の影響─ 心理学研究, 95(5), 340-346.


“シリーズ「女子大で学ぶ」”について

このシリーズでは、人間関係学科の教員が、現代社会において女子大学で学ぶ意義を考え、発信しています。「もう男女で分ける時代じゃない、大事なのは“その人らしさ”」という考えに私たちも共感します。ただ、私たちは、そうした社会が実現するためにも、そうした社会で女性が生き抜いていくためにも、女性たちに寄り添った教育の場所が必要だと考えています。女子大学でさまざまな学生たちと接しながら、私たち教員が日々思うこと、考えていることについてお読みいただければ幸いです。

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