産学連携課題「コマジョクリエ」 学生提案による新築マンション計画の建設が進行中!
2018/09/19
学生のアイディアを元にした企画・設計による新築の賃貸マンション計画「コマジョクリエ」の計画が進んでいます。株式会社東都・株式会社創建と大学の3者による産学連携課題は2016年秋に始まり、インテリアデザインスタジオ(空間系)と建築デザインスタジオの3年生の合同授業で取り組んでいます。
2016年後期の企画フェーズでは、働く若い女性をメインターゲットにした計画の基本コンセプトが採用されました。続く2017年前期の基本計画フェーズは、計画を進める上で重要なテーマについてワークショップやアンケート調査を行い、要点や考え方などをまとめて施主と企業へ提案しました。それらの成果を元に、建物の概要が決定されました。
2017年後期の基本設計フェーズでは住戸内部の計画について提案を行い、プレゼンテーションの結果、3人の学生による以下3つのタイプの住戸プランが選ばれました。※
【タイプA】「Make up -インテリアを化粧する-」
評価されたポイント
- 3タイプの部屋の中で一番狭小だが、開放的にし、狭さを感じさせない部屋にしている。
- 水回りを壁で仕切らずカーテンで仕切ることによって圧迫感を感じさせない。
また、そのカーテンなども自分好みの色に合せコーディネートを楽しめる。 - 狭い空間であるにもかかわらず、対面式キッチンを取り入れている発想が魅力的。
- キッチン後ろのスペースにルーバーを入れていることにより、玄関から部屋の中が見えない工夫がなされている。
【タイプB】「スマート女子計画 -スッキリ暮らす。目指せ、スマートな女性-」
評価されたポイント
- 働く女性にスポットをあてたコンセプト。部屋をすっきり見せるアイディア。
→仕事から疲れて帰ってくると、家のことまでは手が回らなくなる女性も多いという想定。 - 見せる収納と隠す収納を使い分けた造作家具を設けている。
- 料理を楽しみ、キッチンカウンターが付いているので見せたくないものを隠せる。
【タイプC】「おうちかふぇ」
評価されたポイント
- 部屋をプライベートゾーンとパブリックゾーンに分けて考えており、人を招きやすくしているアイディア。
→Cタイプは3タイプ中最も広く、2人暮らしの可能性を考えた場合に、パブリックゾーンが広くとられて開放感があり、生活がしやすそうである。 - パブリックゾーンでは、カフェの雰囲気を出し、キッチンとリビングで視線があうように考えられており、来客時や2人暮らしに適している。
- プライベートゾーンではウォークスルーの収納になっており、入居者に好まれると思われる。
7月からいよいよ建物の建設が始まりました。現場では学生が参加し、定期的に打合せが行われています。現在はそれぞれの住戸内部の仕上げ材の検討や、外壁色などの選定作業を行っています。出来上がった空間をイメージしながら、種類別に分かれた数多くの素材カタログの中から、室内の壁や床などの色やパターンなどを一つ一つ決めていきます。
全15戸の建物の竣工は2019年2月頃を予定しています。完成をどうぞお楽しみに!
連携企業担当者からのコメント
株式会社東都 初本 浩志 様
- リフォームやリノベーションのように、既に出来上がっているものをベースに変化を求めていくのではなく、新築では何もない状況からその形・造形を創造していくという点から、形も色も印象も学生の思考においても、先入観なくフラットな状態で一から考えさせることができました。住宅造形に携わる若い発想から、多種多様で斬新なアイディアが、これでもかというくらい湧いてきました。そこで出てきたアイディアから基本構想が固まり実現に向け、着手されています。
しかし基本コンセプトや間取りなどの課題に対して出された学生たちの作品のクォリティが想像以上に優れていたため、これらの選定には迷いに迷いました。また、現実的には、建築その他各種法令や事業性を度外視するわけにもいかないため、その取り合いのバランス取りが最も難しい点でした。そこは、学生のアイディアを重視し、想いから逸脱することの無いよう作り手とオーナーで実現に向けた協議を重ねています。
これまでのコマジョクリエの活動は、以下をご参照ください。
- 駒女生の提案による新築賃貸住宅プロジェクト「コマジョクリエ」進行中
- 駒沢女子大学が企業と連携・協働する新プロジェクト「コマジョクリエ」を始動、(株)東都並びに(株)創建と「産学連携協力に関する覚書」調印式を行いました。
- ※ 本内容は、住空間デザイン学類の前身である住空間デザイン学科の学びについて紹介しています。
住空間デザイン学類での学びの参考にしてください。