この瞬間に出会えるということ ― 自然とともに育つ感性

学生たちの実習がひとつの区切りを迎えた日の帰り道のことでした。
慣れない環境のなかで緊張しながらも、患者さん一人ひとりに向き合い続けた数日間を無事に終え、その姿をそばで見守り続けてきた私自身の胸の奥にも、まだ緊張が残りながら、ようやく肩の力がほどけていくような、静かな安堵が広がっていくのを感じていました。

大学からの帰り道、ふと正門を見上げると、沈みゆく太陽の光が、やわらかな夜の色に包まれはじめていました。
淡く移ろう空のなかに、ちょこんと姿をのぞかせていたのは、凛とした表情の富士山です。

  • 緩やかな坂の上にある大学の正門
    緩やかな坂の上にある大学の正門
  • 茜色を背景にした富士山
    茜色を背景にした富士山

見ようとしなければ、そのまま通り過ぎてしまいそうな景色でした。
そのとき、「この時期、この時間でなければ見られない特別な光景ですね」と、警備員の方が声をかけてくださいました。
何気ない一言が、その一瞬をかけがえのない時間へと変えてくれました。
学生たちは、患者さんの小さな変化や、言葉にならない心の動きにそっと寄り添います。その感性こそが、看護の根幹を支える力だと感じています。

本学での学びは、教室の中だけにとどまりません。稲城の豊かな自然、その光や風の移ろいを感じる日々が、学生たちの「気づく力」をやさしく、確実に育てています。この穏やかな環境に包まれているからこそ、学生たちは今日も、丁寧で温かな看護職へと成長していくのです。

あなたの中にある大切な感性を、この場所で一緒に磨いてみませんか。

文責:淺賀 陽子

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