フィールドワーク2022「日光江戸から明治にかけての建物探訪」
2022/11/24
住空間デザイン学類のフィールドワークは、毎年地域に育まれた伝統的な文化や建物を調査・体験する授業です。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、この2年間は残念ながら実施をすることはできませんでした。3年ぶりに再開した今年度は「自然環境と調和した歴史的建造物を通してみる日光のリビングデザインへの理解を深める」目的に、世界遺産にもなっている日光東照宮と、周辺に点在する明治時代に建築された歴史的・伝統的な建物の見学を行ってきました。
事前授業で調査や発表を行い、建物について理解した上での今回の見学先を巡った学生たちの感想を、見学レポートの抜粋からご紹介します。
フィールドワーク2022担当教員:佐藤勉、篠政行
参加学生コメント
- 2年 OSさん
日光は一度修学旅行で行ったことがある場所である。その時は「歴史」に注目し見学していた。しかし、今回は「建物」という前回とは違う視点からもう一度見学することができた。フィールドワークを通して私は五感と身体を使って学ぶ大切さを知ることができた。例えば、味わいながら建物やカトラリーを楽しむ、建築物の匂いを嗅いでみる、家具や壁の生地や素材に触って感触を確かめる、ドアや机の高さを身体で測ってみるなどさまざまだ。この五感・身体を使い「調査する・考える・考察する」という工程を行うことはデザインを向上させる第一歩であると考えた。これから先、さまざまな建築・インテリアなどを直接見て・感じ学びを深めていきたいと思う。 - 3年 NAさん
今回、日光東照宮、日光金谷ホテル、イタリア大使館別荘、英国大使館別荘に行く機会をいただいた。小学校の頃に行ったことはあったのだが、あまり記憶に残っていなかったため、どこを見ても新鮮であった。色の使い方や素材の組み合わせ方、表情までも読み取れる程細かく一切の妥協がない華やかな彫刻たちによって、装飾されている日光東照宮の姿は美しく、自然の中にたたずむ社寺こそ日本が誇る建築物の姿だなと感じた。さらに、緑の多さや自然の中に建築物があるというよりも、建築物が自然と共存している姿には感心した。魅力的な空間や建築物というのは、年齢や人種を超え愛され続けると実感したため、私もそんなデザインに携わりたいと強く感じた。 - 4年 NAさん
コロナ禍により、4年次にして初めてのフィールドワークである。日光東照宮から始まり、金谷ホテル、大使館別荘と自然豊かな環境と、その中で調和する建物の様子を間近で見学することができた。印象に残っているのは、日光東照宮と英国大使館別荘である。日光東照宮では豪華絢爛な装飾と彫刻が特徴的だった。事前調査で学んだ情報を照らし合わせながら見学することで歴史を感じた。英国大使館別荘では、実際に訪れてみると外観が思っていたよりもシックで周辺に美しく映えていた印象を受けた。開放感ある広縁からは中禅寺湖の景色が美しく、ずっとここにいたいと思うような空間であり、また違う季節の日光にも行ってみたいと感じさせてくれた。