「住宅課題賞2020」に出展しました

建築を学ぶ学生を対象に開催されている「住宅課題賞2020」(東京建築士会主催)に、今年も3年生「建築デザインⅠ」の授業で取り組んだ集合住宅の課題の中から、優秀作品として仲田来未さんの「TERRACE×GREEN」を出展しました。2020年12月3日から10日まで竹中工務店東京本店1階「ギャラリーエークワッド」で開催され、12月5日(土)には5名の審査員が「優秀賞」や「審査員賞」を選出するオンライン審査会も行われました。
出展のための縮尺1/50サイズの模型制作は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に行いながらの作業となりました。例年とは異なる難しい環境のなか、出展へ取り組んだ仲田さんにインタビューしました。

  1. ※ 「住宅課題賞2020」は、首都圏の建築系大学41大学53学科の設計授業で取り組まれている住宅課題のなかから優秀作品が展示される展覧会です。

課題「ダガヤサンドウに住むとしたら」

新国立競技場の完成により新たな注目を集めている「ダガヤサンドウ」において、人が集まって住むことの価値を生み出す10戸の集合住宅を考える課題です。1回目の緊急事態宣言発出中の2020年5月に出題した、オンライン授業での設計課題です。新型コロナウイルスの影響で私たちの生活は大きな変化を余儀なくされ、リモートワークが進み、住まいに対する価値観も変化しているときだからこそ考えられる集合住宅のあり方を提案することをテーマにしています。

  • 1/50サイズ模型とA1パネルを展示
    1/50サイズ模型とA1パネルを展示
  • 「TERRACE×GREEN」 画像クリックでPDFを表示
    「TERRACE×GREEN」
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今回出展した集合住宅「TERRACE×GREEN」はどんなコンセプトですか?

プライバシーと開放感という二つの軸をコンセプトにデザインした集合住宅です。リビングから繋がる開放的なテラスで内外が一体となる空間を作り、独立した2つの個室が共有するテラスでは気軽に外の空気を味わえるような空間となっています。また土間空間を設けて住人同士がコミュニケーションを図れるような場を確保したり、緑あふれるテラスで景観を豊かにしたり等、コミュニティー・周辺地域にも考慮した計画となっています。

今年はオンライン授業で課題に取り組んできました。工夫したことや苦労したことは?

オンライン授業ではエスキースに関してもきちんと前日までにデータを作って準備しなければならないので初めはやりづらさを感じましたが、事前にしっかり準備している分慣れると以前よりもスムーズにエスキースが進んでいた気がします。オンラインという慣れない部分もやり方次第ではメリットに変えられるのだと感じました。

「住宅課題賞」への出展準備も制約された環境の中での作業となりました。出展を通して感じたことは?

普段は自宅で授業を受けていましたが、模型制作は学校で進めました。入構が制限されている中、予定を立てた日程・時間でしか作業ができませんでした。その中で完成させなければならないというプレッシャーはありましたが、仲間の協力によって最後までやりきることができました。とても感謝しています。計画的に物事を進めていく力が身に付いたように感じます。

  • オンライン授業と模型制作の両立にも苦労しました
    オンライン授業と模型制作の両立にも苦労しました
  • 無事に完成! 他の仲間たちも日程を分けて協力してくれました
    無事に完成! 他の仲間たちも日程を分けて協力してくれました

オンライン公開審査会で気づいたことや得られたことは?

とてもたくさんの大学の方が出展しているので、課題内容や作品の雰囲気がさまざまで大きな刺激を受けました。すべての作品に対して審査員の方から講評してもらえるのでとても良い経験となりました。参加者の作品や審査員から刺激を受けるのと同時に、建築の奥深さを感じた1日となりました。

今後の抱負をお願いします

今回の住宅課題賞を通して、一つの建築に対して解かなければならない問題がたくさんあってさまざまな視点を持って考えていかなければならないと強く痛感しました。それができるようになるためにはたくさんの経験を積んでいかなければならないですし、ゴールはないのだと感じました。今回の経験で感じたことを大切にし、今後にも生かしていけたらと思います。

  • 住宅課題賞の展示会場
    住宅課題賞の展示会場
  • 非常勤講師の田中昭成先生と展示会場で初めて対面できました
    非常勤講師の田中昭成先生と展示会場で初めて対面できました

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