2023年度 入賞作品
優秀賞
松本 奈緒美「歩いてカモガワ~千葉県鴨川市に健康促進施設を作る~」
担当教員:小川 弾
千葉県鴨川市に幅広い人々が集う拠点施設計画。
すでに後期高齢者が30% を超えるこの町では、今後さらなる高齢化、生産人口の減少が問題視されている。
新たな地域移住者を獲得していくため、「鴨川の暮らし」の魅力を発信する空間づくりが求められている。
子どもが安全に遊べる児童公園、料理教室や滞在者が利用できるキッチンスタジオ、近隣の海での汚れを落とすシャワールームやランドリー、鴨川の自然を感じられる温泉施設、長期滞在者をターゲットにした宿泊施設。
これらを組み合わせ、海辺の町に観光と健康の拠点となる建物を計画する。
学生による作品紹介
担当教員講評
過疎化する地方都市に新たな"まちの拠点"の提案。まちの分析から得た"太平洋に面した外房の豊かな自然環境"と"観光地として親しまれてきた歴史"に加え"高齢化のために整備されてきた医療施設"の3つの特徴が折り重なり生み出されている。"歩幅"と"感情"を結びつけた独自性のあるゾーニングや、"余白となる空間"を積極的に加えつつも無駄のない空間構成を成立させた平面計画など注目点は多い。ここで生まれるさまざまな出来事を優しく大らかに包み込む"波のような屋根"がより一層この建築に魅力を与えている。
(評/小川 弾)