石川 創「日本文化ゼミ」
明治時代の「ことば」から日本文化を考える
このゼミでは、明治期を中心とした資料の輪読を行い、現代語の成り立ちや、近代以降の日本文化の発展について考えています。「日本語は特殊な言語だ」といわれることもありますが、日本語は世界から独立した存在ではなく、他言語・異文化とのつながりも多くあります。古代から現代にかけての歴史のなかで、日本語はどのように話したり書いたりされてきたのかを、ことばの「実例」を丁寧に調査して明らかにします。
木内 英実「日本文化ゼミ」
近現代の短歌から日本文化を探る
短歌をはじめとする日本文学の特質として「公人の声」「わたくしの声」「にんげんの声」の重なりが挙げられます。他者にそれらの声を伝える目的で詠まれた近代短歌の方法をTwitterに重ね合わせる論もある中で、この授業でははじめに中学・高校国語科教科書でおなじみの石川啄木・与謝野晶子・俵万智等の作品を再読ならびに再鑑賞します。制約が多い時代において誰も傷つけず、誤解を招かず、自分の気持ちを言葉にするコミュニケーションの一方法としての近現代短歌から日本文化を探求しましょう。
皆川 義孝「日本文化ゼミ」
江戸時代の古文書や記録から日本文化を探る
江戸時代になると、各地の人びとがさまざまな文字で書いた古文書や記録を作るようになります。そうした記録の中には、村の年中行事などを記録したものもあり、それらを読み解くと、日本の伝統的な世界観である「晴れの日」「ケの日」にみられる生活様式の違いなど、現代の私たちに当時の生活文化を知ることができます。このゼミでは、特に江戸時代に文字で書かれた古文書や記録等を読み解き、そこから見えてくる日本文化について探求しています。
山本 元隆「日本文化ゼミ」
文字に込められた日本文化の“心”を探る
このゼミのテーマは「日本文化の“心”への探求」です。江戸期の説話物語『続沙石集』を手掛かりとして日本文化の内面的(心的)特徴について考えます。『続沙石集』には、神仏寺社にちなんだ不可思議な霊験譚から愚か者の罰当たりな失敗談にいたるまで、バラエティーに富んだ物語が収録されています。「仮名まじり文」の『続沙石集』を丁寧にひも解きながら、風習・伝説・信仰の面から幅広く日本文化の“心”をともに学び、考えていきます。
過去の日本文化専攻・ゼミ論文題目の一部を紹介します。
- 日本庭園からみる日本人の美意識
- 浮世絵にみる近世日本の西洋文化受容
- 戦国時代を生きた女性たち
- 徳川家斉政権期における“大奥”の存在形態
- 付喪神と百鬼夜行について ―仏教との関わりを中心として―
- 更級日記の研究 ―女流日記における位置づけ―
- 近現代文学における「母親」イメージの変遷
- 言葉の乱れと若者言葉について