2024年度 観光文化学類 合同発表会
2025/02/10
観光文化学類の観光文化ゼミによる毎年恒例行事の一つである合同発表会が、2024年12月11日に学園記念講堂で開催されました。以下プログラム順に、7つのゼミの発表概要と参加した学生のコメントをレポートします。当日の司会進行は鮫島ゼミ3年生が担当しました。※
2024年度観光文化学類合同発表会ポスター
発表会の様子
第一部:ツアープラン部門
羽鳥ゼミ「五年後に行きたい贅沢ツアー 〜SUMMER HOLIDAY ニューヨーク&ボストン編〜」
アメリカにおける観光と文化を専門に研究している羽鳥ゼミらしく、ニューヨークとボストンの魅力を余すことなく詰め込んだ豪華なツアープランが発表されました。内容的にもこだわりの宿泊施設から、グルメやアクティビティまで、詳細にわたって調べられており、まるで実際に旅行しているかのような臨場感が感じられました。学生の視点からみた「就職してから五年後の贅沢なアメリカ旅行」という独自の発想からは夢ある将来を感じさせるものがありました。
参加した学生のコメント
- タイムズスクエアなどの有名な観光地だけではなく美術館やカフェなど日本ではあまり有名ではない場所も含まれており、残すところなく楽しめそうでした。また、お土産コーナーや注意点、道中で食事をするなど実際に行ったときのことが考えられていて、ツアーとしての完成度が高かったです。
- 「五年後に行きたい」というコンセプトでツアープランを考えていたところが、斬新で面白いと思いました。中心的な観光地はもちろん、歴史や文化を取り入れたツアープランで、またポップなBGMと共にスライドが進んでいて、楽しく発表を聞くことができました。
張ゼミ「Okinawa〜大人になってから行く修学旅行」
学生時代の修学旅行を懐かしみながら、大人になった今だからこそできる「Okinawa〜大人になってから行く修学旅行〜」のツアープランが発表されました。沖縄らしさを感じさせるOrion Tシャツを着用し、BGMには島唄を流すなど、聴衆を沖縄の雰囲気に引き込む工夫が随所に見られました。修学旅行ではできなかった体験や、懐かしさと新たな発見が詰まった、沖縄への旅心をくすぐるプレゼンテーションでした。
参加した学生のコメント
- 大人になってからの修学旅行というコンセプトがとてもすてきだと思いました。青春がコロナによって思うように楽しめなかった世代のため、このプランは心に刺さるものがあり、参加してみたいという気持ちが生まれました。
- ペンションに泊まるというのが良いと思いました。広いスペースがありそうなので、大人数でも楽しいプランだったと思います。沖縄の家庭料理も食べられるお店の紹介もあって良かったです。
杉野ゼミ「生きた博物館としての街を探るin ○○」
「博物館」を共通テーマにそれぞれ異なる都市を対象としたツアープランが発表されました。街そのものを博物館に見立て、歴史や文化を体感できる街歩きの旅を提案するものでした。また、実際に訪れた感想を交えながら話を進めることで、情報に信憑性と深みがあり、聴衆の興味を引きつける内容でした。博物館や歴史をコンセプトに一貫したテーマで、街の新たな楽しみ方を提案する発表内容でした。
参加した学生のコメント
- ポルトガル、東京、上海とそれぞれの場所で博物館のように街を巡るという内容が印象的でした。特にリスボンの発表では大航海時代についての知識がなかったためよく分からないかなと思っていましたが大航海時代の説明スライドもあり表紙にもあった大航海時代を巡る旅を理解しながら見ることができました。
- 都市そのものを1つの博物館に見立てた、「生きた博物館」という概念をテーマにしたのがとても面白いなと思いました。また円安で海外旅行に行きづらくなってしまった現代なので、東京でも海外を感じられるレストランの紹介はとても魅力的でした。
渡邉ゼミ「The Honeymoon of your dreams」
ハネムーンという特別なライフイベントに合わせた贅沢で豪華な旅を提案するものでし
た。フランスとドイツの8日間の旅で、150万円という高額設定ながらも、「ここでしかできない体験」を具体的に紹介し、聴衆を納得させる内容でした。旅行中におけるシチュエーションに合わせてBGMや映像を活用した演出によって、まるで劇を観ているかのような世界観に引き込まれました。
参加した学生のコメント
- 劇という形で観光地の魅力やおすすめの料理、お土産を知ることができて、楽しく聞くことができました。実際の流れを想像することができたのでとても分かりやすかったです。映像も照明もこだわりがとても感じられ良かったです。
- ハネムーンの提案発表で、私もヨーロッパで新婚旅行をしてみたいなと思いました。また、発表全てが劇のような空気感で、演技や動画、照明などの演出が豊富でとても想像が浮かび、魅力が伝わりました。
第二部:グループ研究部門
鮫島ゼミ「越前鯖江クラフトツーリズム研究」
福井県鯖江市を対象に、伝統工芸を生かした観光の可能性について研究成果が発表されました。鯖江市の特産品であるメガネ、和紙、漆器といった地域資源を生かし、訪問者が職人技を体験しながら地域文化を深く理解できる「クラフトツーリズム」を提案する研究内容でした。調査で得られた知見を基に作成されたガイドマップは観光地における伝統工芸を生かした観光振興の可能性を示唆する側面が強く感じられる内容でした。
参加した学生のコメント
- 鯖江眼鏡の普及率が95%だということを初めて知りました。あまりにも数字が高かったので驚きました。スライドにクイズを交えていて、聞いている側も参加できるような発表形態で良いと思いました。自分もゼミの活動で福井市をやりましたが、同じ県でも市が違ったので違う地域のことも知ることができて良かったと思いました。
- ものづくりという独自の視点から観光を考えていて、あまり観光地として有名ではない場所を知ることができました。グラフや写真などが多く分かりやすく、クイズを入れることで印象が濃くなり、飽きない工夫を感じました。
田代ゼミ「東横インに泊まってSDGsに貢献しよう!」
本研究では、宿泊施設とSDGsの取り組みを掛け合わせることで、宿泊者自身が環境や社会に配慮した行動を実践できる仕組みが提案されています。学生チームは調査結果に基づいた提案を東横イン側に披露し、学生とホテルが一丸となって取り組む、実践的なSDGs推進プロジェクトとしての側面も感じられました。SDGsの目標ごとに複数の施策を検討し、環境負荷の低減だけでなく、社会的課題の解決や地域活性化への貢献にもつなげた知見は今後の宿泊施設のあり方を考える上で新たな視点を提供しています。
参加した学生のコメント
- 私自身、インターンシップで東横インに参加する予定なので、事前情報としてホテルの概要を知ることができてうれしかったです。また、ホテルで取り組んでいる社会的課題への改善活動が豊富で、社会にも貢献している会社だと学びました。
- 東横インとSDGsの取り組みの中には、私たちにもできる簡単なこともあり、勉強になりました。ホテルとSDGsはどんなことができるのか想像がつきませんでしたが多くのことがあるなと思いました。改めて、SDGsの大切さを実感しました。
本間ゼミ「高尾山プロジェクト活動報告」
高尾山の観光促進を目的とした調査活動をはじめ、SNSプロモーションの取り組みについて、司会と発表チームが質疑応答の形式を取ったプレゼンテーションスタイルがとても分かりやすく、聴衆からも好評でした。特に、調査活動を通じて直面した課題や、観光協会や地域の事業者との連携の難しさについても言及があり、聴衆の学生からも学びにつながったとのコメントが多数寄せられました。実際に何度も高尾山を訪れ、地域の声を聞きながら進めた取り組みは、単なる学術研究にとどまらず、参加した学生たちにとっては、観光振興策を実践するための貴重な機会になったと考えられます。
参加した学生のコメント
- 高尾山には行ったことがあるので、プレゼンを見ていてとても面白かったです。自分の知っている場所がテーマだったため、内容に親近感を持ちながら楽しく聞くことができました。 また、地域との連携の難しさについても触れられており、観光地としての価値を高めるには地元の協力が欠かせないことを改めて実感しました。さらに、SNSを活用した情報発信の重要性についての話も印象的で、現代ならではのアプローチだと感じました。
- 青島、高尾山、福井市プロジェクトなど、さまざまな地域で地域とのつながりや若者へ影響を与えるなどの取り組みをしていてとてもやりがいがありそうだなと思いました。マップを作ったり、動画を撮ったりとPR活動もしていてゼミの皆さんが笑顔溢れていて楽しそうな雰囲気だなと思いました。
講評 ゼイヤー ウィン
今年度初めて発表会に参加させていただき、学生たちの創造性とプレゼンテーションのクオリティに大変感銘を受けました。各ゼミが独自のテーマに沿って工夫を凝らした発表を行い、特にBGMや劇のような演技を通した表現は聴衆を引き込む力強さを感じました。専任教員として初めての参加でしたが、参加チームごとに多様なアイデアが披露され、学生たちの熱意と努力が伝わる大変有意義な発表会となりました。
駒沢女子大学 観光文化学類では、学生一人ひとりが将来の進路を見据え、実践的な学びを通じて観光分野の多様な可能性に触れる機会を提供しています。
観光文化学類 教員 ゼイヤー ウィン
- ※ 観光文化学部 観光文化学科の前身である人間総合学群 観光文化学類のカリキュラムを紹介しています。