2025年度 海外旅行研修 ~韓国の観光資源視察・現地学生との国際交流(ソウル・京畿道地域)~
2025/10/02
「海外旅行研修」は、観光資源および観光産業の視察と国際交流を通じて、観光資源の見方をプロの視点から学び、国際感覚を育てることを目的としています。前期の授業で専門知識を習得し、国内での事前研修を経て、夏季休暇中の8月26日~9月1日に韓国(ソウル・京畿道地域)で実施しました。観光文化学類の3年生2名、2年生9名、人間文化学類の3年生2名、計13名が参加しました。
韓国伝統衣装の韓服(ハンポク)体験
「韓国観光公社」の新しい文化体験型施設体験
事前授業・研修
前期の授業では、「韓国の基礎知識と観光資源」、「旅行計画のための調査法」、「プレゼンテーションの技法」などの講義があり、学生は現地でのプレゼンテーションに備え、グループ別に日本の伝統文化と韓国の歴史や観光資源について調査・資料作成をしました。出発前の研修では株式会社エイチ・アイ・エス本社を訪れ、エイチ・アイ・エスの本社説明や今後の業界動向について講義を受けました。
研修1~2日目
成田空港から仁川空港に到着し、一泊目のホテルでは、ロビーでビンゴ大会を楽しみました。景品には日本では手に入らない世界各国の文房具や小物類が用意され、大いに盛り上がりました。一泊後に統合型リゾート(IR)の観光資源を調査するため、仁川のパラダイスシティを見学しました。パラダイスシティは、ホテル、コンベンション、カジノ、ショッピングモール、アートギャラリー、スパ、クラブなどを含む北東アジア初のグローバル統合型リゾートです。午後に訪問したHiKR GROUND(ハイカグラウンド)は、K-POP体験やメディアアート鑑賞ができる韓国観光公社の広報館で、MZ世代向けに韓国観光コンテンツを提供しています。最新の韓国文化を体験した後は、戦争記念館にて過去にさまざまな侵略を経験した韓国の悲しい歴史について学びました。
成田空港から出発する前に記念撮影
ホテル到着後ロビーでビンゴ大会
IRリゾートのパラダイスシティにて
IRリゾートのバラダイスシティにて
HiKR GROUND(ハイカグラウンド)でK-POP体験
戦争記念館前で記念撮影
研修3日目
午前は地下鉄を利用して、明洞 (ミョンドン) 近くのデラックスホテルを訪問しました。国際的な会議で利用される重厚な会議室、レストラン、ジムなどの施設に加えて、さまざまなタイプの客室を見学しました。学生たちからは次々と質問が飛び交い、普段は見ることができないホテル業の裏側を見ることができました。午後は朝鮮王朝の宮殿である景福宮 (キョンボックン) で韓国伝統衣装の韓服(ハンポク)を体験しました。貴重な伝統衣装を身にまとい、異文化体験を満喫しました。夕食にはタコとユッケ丼を頂きましたが、学生たちは初めて見る料理と味に驚きながらも、本場の韓国料理を堪能している様子でした。
ロッテホテルを視察
さまざまなタイプのスイートルームを見学
伝統衣装(チマチョゴリ)体験
夕食はタコとユッケ丼を堪能
研修4~5日目
午前は世宗(セジョン)大学を訪問し、ホテル観光学部の学生や日本語学科の学生の歓迎を受けました。日本文化に関するプレゼンテーションを行い、韓国との相違点、共通点について議論を交わしました。その後に催された交流会では世宗大学の皆さんが用意してくださった韓国のお菓子の数々を頬張りながら、にぎやかな笑いの絶えないひと時を過ごしました。交流会後には一人ひとり名前入りの修了証書を授与していただきました。
韓国の大学では近年国際化が進んでいます。世宗大学も例外ではなく、昼休みに訪れたキャンパス内のフードコートではさまざまな国出身の留学生を目にしました。学生たちはこうした国際的な環境を目の当たりにして驚いた様子でした。外国の大学にあるフードコートで、世界各地から学びに来ている留学生を身近に感じつつ、韓国料理をいただくという機会は貴重な異文化体験になったことでしょう。昼食を済ませてから翌日にかけてはそれぞれ班ごとに思い思いの時間を過ごしました。
世宗大学ホテル観光学部での研修
日本文化のプレゼンテーション
韓国の学生との交流会
世宗大学から一人ひとりの名前入りの修了証書をいただきました
研修6日目~最終日
研修6日目は京畿道水原市にバスで移動し、世界文化遺産である水原華城(スウォンファソン)を訪問しました。18世紀末に建設された約6kmの城壁と4つの壮麗な門を目にしながら、ガイドさんから歴史的背景や当時の様子を解説していただき、まるでタイムスリップしたような時間でした。昼食後は最近韓国で特に人気の高い観光スポットにもなっている水原スターフィールドビョルマダン(星の庭)図書館を訪問しました。本を手に取ってゆったりとした時間を過ごしたり、韓国ファッションの発信地で買い物をしたり、地元の買い物客に交じって韓国の日常を体験したりしました。研修の最後には鳥頭山(オドゥサン)統一展望台を訪問しました。教科書やニュースでしか見ることのなかった歴史や現状を目の当たりにして、改めて平和の大切さを実感しました。最終日には韓国の新幹線であるKTXに乗って仁川空港に行き、7日間の充実した研修を終え帰国しました。
「水原華城」で、18世紀の暮らしや街並みを体験
「水原華城」で、18世紀の暮らしや街並みを体験
水原華城前で記念撮影
水原スターフィールドビョルマダン図書館見学
鳥頭山統一展望台で記念撮影
平和を願う鳥頭山統一展望台の風車
学生の声:研修中に最も印象に残ったことは?
- ランクごとの部屋の違いを実際に見ることができる貴重な体験ができてうれしかったです。また、韓国内の2つのホテルの違いだけでなく、日本のホテルと設備や接客が異なるのだとわかりました。将来はホテルで働きたいと考えていたので、海外のホテルに宿泊するだけでなく、レベルの高い客室の見学ができたことによって、国内だけでなく、海外のホテルへの就職も視野に入れたいと思いました。
(Aさん) - 今回の海外旅行研修で印象に残ったことは2つあります。まず1つ目は、韓国語を話せなくても生活できるということです。世宗大学の学生やお店の店員さんの中に日本語を話せる人が多く、その上手さに驚きました。私も日本に来る外国人に臨機応変に対応できるよう、英語や韓国語などを勉強し、積極的に話せるようになりたいです。2つ目は戦争博物館の見学です。日本の授業ではあまり触れられることがない韓国からみた歴史を学ぶことができました。特に、お母さんに向けて書かれた手紙が印象に残りました。日本語に翻訳して読んだときに、とても胸が苦しくなり、戦争は誰も幸せにしないことだと改めて感じました。
(Bさん) - とても満足した研修で帰国時も帰りたくないと話していたほど良い韓国研修の1週間でした。印象に残ったことは、デラックスホテルの見学と広蔵市場、水原華城です。ホテル見学については、観光学類ではないが、海外のホテルを見学することはなかなかない機会だったのでとても印象に残りました。各ホテルの違いが見られたし、日本のデラックスホテルとどういったところが違うのか気になりました。市場では、現地で食べたいと思っていたユッケやスンデを食べることができました。楽しかったので他の市場にも足を運んでみたいと思いました。水原華城は、とても見応えのあるものでした。水原華城の先には高層マンションやビルなどが見えて不思議な気持ちになりました。
(Cさん)
海外旅行研修の実施にあたり、多くの現地スタッフ、関連企業の方々、世宗大学の教員と学生のみなさんにお世話になりました。厚く御礼申し上げます。
(担当教員 張 景泰・鮫島 卓・薬師 英子)