統合実習で老年領域は宿泊実習に行ってきました!!
2023/09/04
看護学部4年生の看護学統合実習は、これまでの学びの集大成として、学生がテーマをもって希望する領域を選択して実習に臨みます。老年看護学領域では、12名の学生が2つのグループに分かれて、「複数受持ち実習」「管理実習」「夜勤実習」を行いました。このうち、「管理実習」「夜勤実習」は、静岡県御殿場市の国立ハンセン病療養所にて宿泊実習を行いました。また、実習最終日には日本最古の私立のハンセン病療養所(現在はホスピス・介護医療院)の記念館を見学しました。
実習初日、学生全員で慰霊碑に献花を行い実習を開始しました。療養所に入所されている元ハンセン病患者さんは、平均年齢が87歳のご高齢でしたが、学生を笑顔で迎えてくださいました。
元ハンセン病患者さんからのお話では、昔の辛かった体験談や現在の暮らしについて、学生は涙をためて聞き入っていました。しかし、昔の辛い療養所生活の中にも、楽しかった思い出も聞くことができ、学生にとって教科書では学ぶことのできない貴重な経験となったことでしょう。
管理実習では、看護師長やリーダーに同行しました。入所者様だけでなくスタッフへの指導、教育、健康管理や、他部署との調整、苦情への対応など多岐にわたる業務と、その責任の重さについて直に学ぶことができました。
夜勤実習では、16:00~20:00と翌日の6:00~9:15までの夜勤の始めと終わりの時間に、夜勤看護師に同行しました。少ない勤務者で協力をし合って入所者様の対応をしている看護師を見て、来年から看護師として働く自分の姿をイメージできたのではないでしょうか。
実習中は療養所内の施設に宿泊をしました。学生は協力をして、食料の買い出しや自炊を行いました。グループメンバーの中には、この実習まで一度も話したことのない同級生もいたそうですが、みんなで協力をして食事を作ったことや、夜遅くまで記録を書いたり、看護やプライベートなことを話し合ったことで仲良くなり、楽しい思い出になったとのことでした。
学生は、元ハンセン病患者さんと直接関わることで、「差別」や「偏見」を繰り返してはいけないとの思いを強く持ったようです。これまで老年看護学の講義や実習で学んだ、高齢者の「人権」や「権利擁護」について改めて深く考えることとなり、自分の看護観を見つめる切っ掛けにもなったのではないでしょうか。
文責:松戸 典文