初めての病院実習:基礎看護学実習Ⅰ

2月末より3月初旬にかけて、看護学部5期生(1年生)の基礎看護学実習Ⅰが行われました。コロナ禍の影響が残る中ではありましたが、予定通りのスケジュールで、全員履修することができました。

本実習は1年次後期科目であり、学生たちにとっては初めての病院実習となっています。実習病院は、3カ所、さまざまな診療科の病棟に配属されました。80名の学生が、前半・後半に分かれ、5人グループに教員が1名引率しました。

内容としては、1日目は、病院・病棟オリエンテーションが行われ、施設の見学、病棟の見学などによって場を知ることから始まり、受け持ち患者さんの紹介・同意を得て、初めてのコミュニケーションを体験しました。2日目は、一人の看護師に一日同行させてもらい、患者さんへの関わり方やケアの実際を見学しました。また、医師や薬剤師との情報交換の場面などを通して、多職種との連携についても学びました。

3、4日目は、受け持ち患者に対して援助計画を立案・発表し、助言を受けつつ実施しました。環境整備やシーツ交換、バイタルサインの測定などを行いましたが、大学で練習してきたこととのギャップに戸惑い、その場所、その対象の健康レベルに合わせた技術の必要性について考えさせられたようでした。また、受け持ち患者さんとのコミュニケーションでは、緊張で頭が真っ白になったり、ただただ患者さんのお話を聴くことで精一杯だったり、質問ばかりになってしまったりと、個々の体験から、看護師と患者の立場でコミュニケーションをとる目的や方法の難しさや大切さについて、たくさんの気づきや学びを得ていました。

5日目は、学内に戻り、新カリキュラムとなっての試みである「学びの発表会」を実施しました。発表準備に関しては、教員は見守りの姿勢で関わり、学生たちがこの基礎看護学実習Ⅰで学んだことの中で伝えたいこと、共有したいことを自由にまとめてもらいました。発表の内容は、病院や病棟の紹介と共に、看護師が患者さんと関わっている場面から学んだこと、受け持ち患者さんとのエピソードから学んだことや今後の課題などでした。複数のグループから出ていた内容をいくつか紹介します。

まずは「非言語的コミュニケーションの大切さ」です。最初は緊張のあまり、会話ばかりに意識が集中し、そのときの相手の表情やしぐさなどの反応に気がつくことができませんでした。しかし、患者さんと関わっていくうちに、言葉以外からもたくさんの情報が得られるということを理解しました。

次に「臨機応変の大切さ」です。実習では、翌日の計画を準備して臨みますが、患者さんの状態は日々変化しているため、なかなか計画通りにはいかず、予定の中止や変更、追加など、一つの考えによる計画では太刀打ちできないことを経験しました。さまざまな可能性を考え、複数の対応策を考えておく必要があること、そのためには、患者さんの理解とその前提となる知識が必要であることを学びました。

他にも1年生ならではの気づきがとても新鮮で、グループの特徴あふれる内容でした。参観された先生や担当教員からの講評では、学びに対する承認や励まし、今後への期待など温かいコメントをいただきました。

次の臨地実習は、半年後の基礎看護学実習Ⅱです。今回の実習で明らかになった個々の課題に取り組み、更に成長した姿で取り組めることを期待しています。

文責:菊地 由美

  • 発表会の準備中
    発表会の準備中
  • 発表会の様子
    発表会の様子
  • 発表会の様子
    発表会の様子

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