コロナ禍における教育の工夫 ~春休みのセルフラーニング~

2020年度は新型コロナの影響で、全ての授業がリモートとなりました。また、臨地実習でも予定通りの実習が困難な状況が生じておりました。従来はモデル人形、あるいは学生同士での技術演習を学内で行い、看護技術を習得した後に、基礎看護学実習で病院に入院している患者さんへの看護実践を行ったうえで、3年次での領域別実習に臨みます。しかし、学内での技術演習も病院実習も例年通りにはできなかった今年度の学習状況を鑑み、3年次の領域別実習に備えるために、2年生の希望者を対象とした「看護技術セルフラーニング」を春休み期間である3月9・10日に企画いたしました。2日間で、2年生35名の参加がありました。また、2年生の学習をサポートするために3年生13名が、SLS(Student Learning Supporter)として協力してくれました。

  • 3年生から優しく丁寧に正しい血圧測定を教えてもらい、何度も練習しました。
    3年生から優しく丁寧に正しい血圧測定を教えてもらい、
    何度も練習しました。
  • 3年生から優しく丁寧に正しい血圧測定を教えてもらい、何度も練習しました。
    3年生から優しく丁寧に正しい血圧測定を教えてもらい、
    何度も練習しました。

セルフラーニングでは、看護技術の基本であるバイタルサインを正確に測定でき、呼吸状態の観察ができることを目的といたしました。3年生のSLSが患者役になり、2年生の手技や言葉かけなどについて丁寧に指導してくれました。その後の時間を使って、リモートで行った周術期看護学演習で学習した医療機器を実際に操作したり、看護過程演習の事例に合わせたシミュレーションモデルを使ったりしてリモートでの学びを振り返りました。さらに、3年次前期に学習する血糖測定、インスリン自己注射、スパイロメーター検査、十二誘導心電図などの器具を手に取り、今後学ぶ内容を確認しました。

  • 呼
吸音聴診シミュレータを用いて呼吸音の聴診をしました。納得できるまで、何度も何度も繰り返して、正常音と異常音を聴き分けます。
    呼吸音聴診シミュレータを用いて呼吸音の聴診をしました。
    納得できるまで、何度も何度も繰り返して、
    正常音と異常音を聴き分けます。
  • リモートでの技術演習でできなかった「触れる」観察も経験しました。
    リモートでの技術演習でできなかった
    「触れる」観察も経験しました。

参加した学生たちは、生き生きとした表情で積極的に取り組み、目標を達成させていました。また、SLSとして参加した3年生の成長した姿をみる機会でもありました。

カリキュラムにはない教育活動ですがその必要性を感じ、成人看護学領域の教員チームが一丸となって計画し看護学部のバックアップを受け開催することができました。いよいよ完成年度を迎えましたが、看護基礎教育で大切にしたいことは何か、共に考えながらよりよい教育活動をしていきたいと考えております。

  • リアルな手術後の創傷は教員の手作りです。
    リアルな手術後の創傷は教員の手作りです。
  • 学生同士でもリモート授業での事例患者さんを想定した観察を行いました。自信をもって病院実習に臨めそうです。
    学生同士でもリモート授業での事例患者さんを想定した
    観察を行いました。自信をもって病院実習に臨めそうです。

看護学部看護学科 成人看護学領域
文責 小林優子

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