台湾の高齢者施設「長庚養生村」を視察してきました ~台湾視察①~
2019/12/05
10/23~27まで台湾の台北国際コンベンションセンター(TICC)で開催された、第11回国際老年学・老年医学アジア/オセアニア地域会議2019に参加しました。会議開催期間中の25日には、桃園市亀山区にある高齢者施設「長庚養生村」を視察してきました。この施設は、台湾の大企業集団「台湾プラスチックグループ (台塑集團)」のCEOが、社会貢献のため設立したものです。
長庚養生村は自立した元気な高齢者が生活をするマンションタイプの施設です。部屋は2DKほどの広さで、玄関を入ると右手に自転車が収納できる倉庫があり、廊下を挟んで左手に6畳ほどのリビング、左手奥にベッドルームとクローゼット、右手に洗面室と車いすの入るシャワールーム(台湾では一般的に浴槽に入る習慣がない)、右手奥がキッチンです。ベッドルームと廊下、キッチンからはベランダに通じており、ベランダには洗濯機置き場があります。また、週1回ハウスキーパーが各部屋の掃除に来ます。部屋の各所にはナースコールがあり、緊急時の対応をします。
施設内では、毎日様々な講座が開催されています。日本の高齢者施設では全員参加型が多いが、ここでは、入居者が卓球、ビリヤード、カラオケ、手品、パソコン教室、スマホ教室など、たくさんの講座の中から好きなものを選択して参加しています。
入居者の食事は部屋で自炊をしている人や、フードコートのような場所で、バイキング形式で食べている人など様々です。また、施設内にはコンビニ、美容院、コインランドリーなども完備しており、特に果物が好きな方が多いため、青果店も設置されています。
生活の相談や要望、苦情のほか、役所への手続き、郵便物・荷物の差出し、施設内で購入できない物の買い出しなど、入居者のよろず相談を受ける部署もあります。
「長庚養生村」は日本の高齢者施設で例えると、有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅の機能を併せ持っていました。施設内は入居スペースのほか、娯楽施設、商店などがそろっており、敷地内の別棟には高齢者介護施設もあります。また、近隣には「長庚科技大學」があり、本当に「村」を形成していました。関連施設の台湾最大の病院「長庚記念醫院」まで無料バスが運行されており、病院は駅直結で街の中心にあるため、買い物にも便利な場所にあります。このため施設に入所していても不便は感じないとのことです。施設内を見学している私たちに対して、入居している高齢者の方々が、みな明るく笑顔だったことが印象的でした。
(看護学科 松戸典文)