プレパレーションって、なに? ~小児看護学領域~

皆さんは、プレパレーションという言葉を聞いたことがありますか?
医療におけるプレパレーションとは、子どもが入院や治療、検査を受けるときに行う、子どもの発達に合わせた説明や配慮のことをいいます。説明によって、子どもの恐怖心や不安を最小限にし、その子なりに入院や検査に向かえるように、子どもの頑張りを引き出すことが目的です。
本学科では、3年生の「小児看護学Ⅱ」でこのプレパレーションについて学習します。今回はその学習の手掛かりになる、プレパレーション用の玩具や人形を紹介します。

入院や手術と言われると、大人はベッドがある病室や無影灯がある手術室をなんとなく想像できますが、子どもにはわかりません。各種の検査についても同様です。そこで、イメージしにくい病院の中をわかりやすく、親しみやすく説明するための玩具があります。温かみのある木でできたこの玩具は、人形を乗せて動かすこともできます。人形をストレッチャーに乗せて手術室に移動したり、検査室に移動させたりして遊ぶことで、子どもは自分が受ける手術や検査がどのようなものか理解していきます。

  • 手術室、病室と移動用のストレッチャーの玩具
    手術室、病室と移動用のストレッチャーの玩具
  • 各種検査と移動用のストレッチャーの玩具
    各種検査と移動用のストレッチャーの玩具

また、聴診器は音を聞くものだと大人は知っていますが、子どもは知りません。「この聴診器はどうやって使うのだろう?」と人形を使って親と一緒に遊ぶことができるお医者さんごっこのセットもあります。絵本もついていて、読んで聞かせながら一つひとつの器具の説明をすることができます。

  • 聴診器、飲み薬、体温計、打腱器等の玩具
    聴診器、飲み薬、体温計、打腱器等の玩具

「お腹が痛いから入院しよう」という説明で納得できる年齢の子どももいれば、「なんでお腹が痛いんだろう?」「どうしたらおうちに帰れるんだろう?」とさらに考えられる年齢の子どももいます。そういった子どもには、より具体的に説明をするための人形があります。

  • お腹の中がどのようになっているのか、実際に触って、見ることができる人形
    お腹の中がどのようになっているのか、
    実際に触って、見ることができる人形
  • お腹の中がどのようになっているのか、実際に触って、見ることができる人形
  • お腹の中がどのようになっているのか、実際に触って、見ることができる人形

この男の子の人形は胸やお腹の中を見ることができます。肺や胃、腸などを見て、触って、その臓器が「どういう状態だから、お腹が痛い」「こうなったら家に帰ることができる」と説明することができます。
学生はこれらのツールを参考にしながら、対象の子どもがその子なりに納得ができるよう、また「頑張ろう」と思えるような関わりを学んでいきます。

以上、本学にあるプレパレーションツールを紹介しました。これらのツールがすべての子どもに使い易いわけではありません。再来年には3年生になった学生達が、子どもの年齢や好みに合わせたプレパレーションツールを考えて作ったり、実習で受け持たせていただいたお子さんに説明したりするでしょう。学生たちが作ったツールもいつか紹介できたらと、思います。お楽しみに。

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