1年生の演習科目『生活援助技術』が始まりました。

1期生が入学して2か月が経ちました。いよいよ専門科目の『生活援助技術』の授業が始まりました。『生活援助技術』では、学内演習を通して対象者の健康状態および個別性に応じた清潔・食事・排泄などの日常生活を援助するための技術を習得していきます。学生からは「『生活援助技術』が始まるのを楽しみにしていた」という声が多く聞かれていました。
学生は、この科目のガイダンスで初めてユニフォームを着用し、身だしなみを整え、これまでとは違う緊張感と自覚を感じているようでした。ガイダンスでは『生活援助技術』の授業目標、学内演習に臨む態度、実習室の使用についてオリエンテーションを受けました。

  • 講義室で科目のガイダンスを受ける様子
    講義室で科目のガイダンスを受ける様子

オリエンテーションの後、実習室でリネン類のたたみ方を学習しました。そして、実習室にはどのような物品があるのか、それらがどこにどのように収納されているのか、確認しながら実習室を探索しました。

  • シーツがどのようにたたまれているか確認している様子
    シーツがどのようにたたまれているか確認している様子
  • 安楽枕には大きさ、形、素材の異なる種類があることを知り、対象者に合わせた物品の選択が必要であることを学習しました。
    安楽枕には大きさ、形、素材の異なる種類があることを知り、
    対象者に合わせた物品の選択が必要であることを学習しました。
  • 講棚の中には何が収納されているのか探索している様子
    棚の中には何が収納されているのか探索している様子

ボディメカニクス(人間の形態的特性、筋力特性をとらえ、運動力学の原理や人間の生理学的反応を活用した看護の基本的な援助技術)の実技演習では、初めて教員のデモンストレーションを見ながら、机上の学習だけではなく、〝見て学ぶ〟〝主体的に学ぶ〟ことに取り組みました。
ベッドメイキングを行う前に、まずシーツがどのような仕組みで敷かれているか、どのようなリネンが使われているかを自分たちの目で確認するために、代表の学生がベッドメイキングされたベッドからリネンを外しました。次に、自分たちが考えるベッドメイキングを実施してもらい、その後、教員がベッドメイキングを行い、両者の違いについて、ディスカッションを行いました。学生からは、「スピード感のある素早い無駄のない動き」と「2人がアイコンタクトをとりながら役割分担している」「ベッドの高さを身長に合わせ腰を低くした体の動かし方」「皺のないベッドの仕上がり」など、たくさんの気づきが発表されました。

  • どのような仕組みでベッドメイキングされているのか確認しながらシーツを外している様子
    どのような仕組みでベッドメイキングされているのか
    確認しながらシーツを外している様子

学生の行ったベッドメイキングと教員の行ったベッドメイキングの違いを“見て学んだ”後に行われたボディメカニクスの講義では、「てこ」や「ベクトルの加法と分力」「トルクの原理」「摩擦抵抗」「重心の移動」など、物理学的法則を応用した対象者にとっても援助者にとっても、安全で負担の少ない体の動かし方の実際とその行動の根拠となる理論を学びました。そして、学習した物理学的法則を活用しながら、改めてベッドメイキングに取り組みました。ボディメカニクスが効果的に活用できたとき、初めて「シーツが皺なく敷ける」ことをひとりひとりが体験し、「最小の力で最大の効果を発揮する」という「ボディメカニクス」を活用する目的、意義、重要性についても演習を通して学びました。

  • てこの原理を活用した体位変換
    てこの原理を活用した体位変換
  • トルクの原理を活用した体位変換
    トルクの原理を活用した体位変換
  • ボディメカニクスを活用した負担の少ないシーツの広げ方について教員から指導を受ける様子
    ボディメカニクスを活用した負担の少ないシーツの広げ方について
    教員から指導を受ける様子

看護技術は、学生自身が主体的に「なぜそうするのか?」と疑問を持ちながら、繰り返し〝見る〟〝触れる〟〝実践する〟ことによって習得が可能になります。自己練習を積み重ね、自ら考え、実践できるようになることを大いに期待しています。

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