4年生が卒業研究の成果を「第28回日本在宅医療学会学術集会」で発表しました

健康栄養学科4年生の古徳由佳さんが、第28回日本在宅医療学会学術集会(平成29年9月17日~18日、東京・京王プラザホテルにて開催)において、口頭による研究発表を行いました。発表内容は、田中弥生教授の指導の下で行っている卒業研究で得られた成果をまとめたものです。

在宅慢性呼吸器疾患患者のセルフマネジメントの有用性の検証

古徳由佳、田中弥生
駒沢女子大学人間健康学部健康栄養学科

第28回日本在宅医療学会学術集会
2017年9月18日(土)
京王プラザホテル(東京)

目的

在宅慢性呼吸器疾患患者を対象として、在宅におけるセルフマネジメント支援ツールとして開発されたタブレット端末内に含まれる簡易栄養評価の妥当性を検証する。

方法

本研究では、在宅酸素療法を行っている慢性呼吸器疾患患者を対象とし、タブレット端末を用いたHOT遠隔支援システム内の簡易栄養評価の有用性について、その使用実態の検証を行った。訪問調査において、タブレット内の簡易栄養評価、MNA、CNAQ、食事内容、生活状況のアンケート調査を行った。1つでも低栄養のみられる群、1つでも低栄養のリスクがみられる群、全て良好の3群に分け、各群の属性からタブレット内の簡易栄養評価の妥当性を検証した。

結論

簡易栄養評価システムの妥当性について検証できた。在宅における呼吸器疾患患者のセルフマネジメントプログラムの開発のために、タブレット端末の内容を整えることで、在宅におけるセルフマネジメントの有用性につながることが示唆された。
  • 田中研究室で卒業研究のデータを整理中
    田中研究室で卒業研究のデータを整理中
  • 口頭発表の様子
    口頭発表の様子

古徳さんへのインタビューを以下に記します。

Q.この卒業研究を始めた理由を教えてください。

3年次の臨地実習Ⅰで、介護老人保健施設に行ったのがきっかけです。そこでは、地域包括ケアシステムの一環として、訪問による在宅ケアをされていました。患者さんのお宅を訪問させていただいたときに、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの慢性呼吸器疾患の患者さんでは、継続的な酸素吸入に加えて適切な栄養管理が欠かせないことを知り、強い興味をもちました。

Q.卒業研究ではどのような大変さがありましたか?

実際に多くの患者さんのお宅を訪問し、栄養状態などの聞き取り調査を行いました。その時、ふだん大学や実習先の施設などで使っている専門用語をそのまま使うと患者さんに伝わらず、コミュニケーションがうまくとれないことに気づきました。田中先生の臨床栄養学実習でも教わっていたことではありますが、専門的な内容をだれもが理解できるような平易な言葉で説明することの難しさを痛感しました。
最初はとまどいましたが、慣れるにしたがってやさしい言葉でうまくコミュニケーションがとれるようになりました。このことから、将来管理栄養士業務を行う時には、患者さんと医療従事者との言葉のギャップを埋め、効果的な栄養管理や栄養指導ができるように工夫したいと思いました。

Q.学会はいかがでしたか。

学会での発表はもちろん初めてでしたので、緊張しました。でも、発表のときには緊張もおさまり、意外と落ち着いて発表できました。田中先生からもお褒めの言葉をいただきました。

Q.今後の目標や抱負について教えてください。

今回の学会では管理栄養士だけではなく、在宅医療にかかわる多職種の方々が発表をされていました。患者さんを総合的にサポートするためには、多職種の連携が大切であることを改めて実感しました。将来は病院の管理栄養士になり、メディカルスタッフとして働きたいと考えていますが、今回の経験は、チーム医療の一員として働くために、とても役立つものと感じています。これからも学会や研修会などの勉強の場に積極的に参加し、そこで得られた新たな知識を管理栄養士業務に生かしていきたいと思います。

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