西山研究室の卒業研究

西山研究室の卒業研究では、キウイフルーツやトマトなどの果実成分に関する研究を行っています。その中の一つを紹介します。卒業研究のタイトルは、「トマト果実のカロテノイド含量の品種・系統間差異」です。

野菜や果物には多種多様な品種・系統が存在しますが、中でもトマトは特に種類が豊富です。青果店では、実に様々な色や大きさのトマトが市販されていますが、日本食品標準成分表の中にはトマトとミニトマトの2種の果実の成分しか収録されていません。そこで、多様な品種・系統の果実を実験材料として、リコペンやβ-カロテンなどのカロテノイド色素の含量を実測してみようということから、この研究が始まりました。

実際の測定は、高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography, HPLC)という方法で行います。3年次の生化学実験Ⅱで、ビタミンDやビタミンCを測定したのと同じ機械を使って測定します。今回の卒業研究では、カロテノイド測定のついでに、ビタミンC含量、果汁の糖度やpHなどの測定も並行して行っています。

まだ実験を始めて1カ月ですが、すでにトマトのカロテノイドやビタミンCの含量には、大きな品種・系統間差異があることがわかってきました。リコペンやβ-カロテン、ビタミンCなどは、それぞれが健康の維持・増進に寄与する機能性を有することが知られています。各々のトマトの成分や機能性を理解した上でトマト果実を有効利用するためには、本実験のような基礎研究が不可欠です。将来的には、それぞれのトマトに適した利用法の検討や、効果的に機能性成分を摂取するためのレシピの提案などにも結び付ける予定です。

  • トマトの多様な品種・系統
    トマトの多様な品種・系統
  • HPLCによる果実成分の測定
    HPLCによる果実成分の測定

授業紹介 :新着投稿