2023年度夏期 国内インターンシップ実習<計33名が参加しました>
2023/10/16
マイナビが調査した全国の大学生のインターンシップ参加率は、2022年10月時点で87.6%となっています。これは調査を開始した2015年以降最高の数値でもあります。参加目的は「どの業界を志望するか明確にするため」が65.6%で最多となっています。観光文化学類の2023年度夏季インターンシッププログラムは、企業がコロナの影響から立ち直り傾向にあることを背景に、全て対面式で実習することができました。
実習のカテゴリーはこれまでと同様に、「旅行業実務」、「ホテル業実務」、「ホスピタリティ業実務」の3つです。参加学生数は合計33名となり、一昨年の15名、昨年の27名から増加傾向にあります。経済産業省が提唱し企業が大学生に求める「インターンシップ体験を通じた社会人基礎力養成の重要性」を、学生が理解しつつあることがわかります。実際に観光文化学類の就職率も大学内のトップクラスとなり、担当教員は指導の成果が実りつつある手応えを感じています。
各実習の参加期間は次のとおりです。
「旅行業」では、株式会社エイチ・アイ・エス(以下HIS)が全5日間。「ホテル業」では、帝国ホテルで1カ月間、本学と産学連携協定を結んだ石川県和倉温泉の株式会社加賀屋(以下和倉温泉加賀屋)で21日間、富士屋ホテル、金乃竹 塔ノ澤、白馬の日本スキー場開発株式会社(以下岩岳リゾート)で5日間、「ホスピタリティ業」では、ハウステンボスが14日間、ブライダル企業の株式会社BP(旧社名:株式会社ブライダルプロデュース)が10日間、株式会社CRAZYが5日間、加えて官公庁・自治体では、稲城市観光協会で5日間の実習を行いました。実習後に内定につながった企業も出てきています。
実習参加にあたっては事前講座の受講が必須です。「企業文化研究」や「履歴書の書き方」などを学び、さらに対面でのインターンシップにそなえたマナー講座などでも心構えを整えたうえで、各インターンシップへ参加しました。
実習生の声
- Aさん:帝国ホテルにて実習
この実習を通し、日頃から従業員同士でもコミュニケーションを取ることでお客様にも安心して利用できる帝国ホテル流のおもてなしの環境を作っていることが特に印象に残りました。私は緊張のあまり最初の頃は消極的になっていました。しかし、お客様に料理を提供した際に「実習生かな。緊張するだろうけど他の人と同じように胸を張って笑顔で大きな声を出してくれれば大丈夫だよ」と背中を押してもらい、この体験を通してコミュニケーションを取ることは大切だということを学びました。今まではお客様にどのように接客したら最上級のおもてなしを提供できるのかわからず試行錯誤していました。ですが、この帝国ホテルのインターンシップを通して、社会の基本である挨拶から異物混入やアレルギー確認、調理場さんや洗い場さんとの声の掛け合いなどの日々の会話からの延長線上におもてなしの極意があることに気づくことができました。今後も日常からさまざまな人と会話を取ることを大切にしていきたいです。 - Bさん:CRAZYにて実習
今回初めて結婚式場で働かせていただいて、まず披露宴の時間管理の大切さに驚きました。料理の提供や食器を下げるバッシングの時間が細かく決められていました。慌ただしい中で、スタッフの方はゲストとのコミュニケーションを重視しており、私もそれに見習おうと目標を定めました。回数をこなしていくうちにゲストの方とコミュニケーションをとれるようになりました。私が実践したのはゲストの方のお洋服を褒めたり、お子様の名前を覚えて、キッズメニューを出すときに呼びかけながら出したりしました。他にも、アレルギーの方を対応したときに、料理ミスに気づきリーダーへの報告も迅速に行うことができました。これらは全てスタッフの方を見習い、実践できるようになりました。挙式見学をさせていただいて、自分が今結婚式という人生の大きなイベントに携わっていると実感し、身を引き締めて働くことができました。プランナーの方が、常に笑顔で緊張している新郎新婦をリラックスさせようとしていました。そういった相手への心配りを、今後の生活にも生かそうと思いました。 - Cさん:HISにて実習
今回のインターンシップ実習を通して企画業務が特に印象に残りました。インターンシップ内の講義では企画の立て方からその営業について幅広く一から丁寧に学びました。中でも、修学旅行の企画をプレゼン(仕様説明会)することをインターンシップのミッションとして取り組み、企画の大変さや責任、やりがいに関しても実際に体験することで深く学びました。安全や人数、価格、独自性、学びの面を取り入れることなどを考慮しつつ思い出に残る旅行のプランを企画するのに苦戦しましたが、課題に取り組む中で、自分が体験した修学旅行の思い出は、旅行会社の方たちがこのように必死に考えてくださったおかげですてきなものとして残っているのだと今回の体験を通して改めて実感するとともに理解が深まりました。また、企画の他に、海外支店で働いている社員さんのお話や座談会など限られた時間の中で伺った貴重なお話を今後の将来や就活に生かしてつなげていこうと思いました。 - Dさん:稲城市観光協会にて実習
実際に職員の皆さんが働いている姿を見たり、市役所内、事務局内での事務作業だけでなく、外での実践的な活動も経験したりしたことで、市民の方とのコミュニケーションの取り方を直接学ぶことができました。加えて、市民一人ひとりに合わせた対応の仕方や、普段と異なる場所でも臨機応変に対応できる力が必要であると実感しました。また、稲城市のPR動画の作成を通して、地元の人の当たり前になっている部分を第三者の視点で見つめ直してPRすることの重要性に気付かされました。このインターンシップ期間中に、市役所も観光協会も「まちを愛してくれる人」を求めているのだと気が付き、地域と密接に関わる上で、まち自体をよく理解する必要があり、まちに愛を持って活動していないと、時間や労力がかかるお仕事は続けていけないと感じました。私は現在、地方公務員志望なので、就職活動の際に自分が「まちを愛している人材だ」とアピールできるよう、受験先の地域、自治体についてよく調べ、それぞれのまちの良いところを自分とマッチングさせていきたいと思います。