2023年度 海外旅行研修 ~韓国の観光資源視察・現地学生との国際交流(ソウル・安東地域)~
2023/11/22
「海外旅行研修」は、観光資源および観光産業の視察と国際交流を通じて、観光資源の見方をプロの視点から学び、国際感覚を育てることを目的としています。前期の授業で専門知識を習得し、国内での事前研修を経て、夏季休暇中の9月4日~10日に韓国(ソウル・安東地域)で実施しました。人間総合学群の4年生4名、3年生3名、2年生9名、計16名が参加しました。
事前授業・研修
前期の授業では、「韓国の観光資源研究」、「観光資源調査法」、「旅行商品の開発」などの講義があり、学生は現地でのプレゼンテーションに備え、グループ別に日本の伝統文化と韓国での旅行商品について調査・資料作成をしました。出発前の研修では株式会社エイチ・アイ・エス本社を訪れ、コロナ後の旅行状況や今後の業界動向について講義を受けました。
研修1~2日目
成田空港から仁川空港に到着し、一泊後に統合型リゾート(IR)の観光資源を調査するため、仁川のパラダイスシティを見学しました。パラダイスシティは、ホテル、コンベンション、カジノ、ショッピングモール、アートギャラリー、スパ、クラブなどが含まれる北東アジア初のグローバル統合型リゾートです。午後に訪問したHiKR GROUND(ハイカグラウンド)は、K-POP体験やメディアアート鑑賞ができる韓国観光広報館で、MZ世代向けに韓国観光コンテンツを提供しています。最新の韓国文化を体験した後は、戦争記念館にて過去にさまざまな侵略を経験した韓国の悲しい歴史も学びました。
研修3日目
世宗(ゼジョン)大学を訪問し、日本語学科の学生の歓迎を受けました。午前は日本文化に関するプレゼンテーションを行い、韓国との相違点、共通点について議論を交わしました。その後一緒にキャンパスツアーと交流会を行いました。韓国の多くの大学は国際化が進んでいるので、世宗大学にも多くの留学生がいます。昼休みに訪れた大学内のフードコートでもさまざまな国の人々を目にしました。学生たちは国際的な環境に驚きながら、安くて美味しい韓国の食事を堪能しました。
研修4~5日目
研修4~5日目は世界文化遺産を訪問し、韓国伝統文化を体験しました。4日目は安東地域にバスで移動し、およそ600年前の暮らしや街並みがそのまま残っている安東河回村では、ガイドの解説を聞きながら歴史的な背景や村の現状を学びました。その後、朝鮮王朝時代の人材育成と政治・社会的活動の場であった陶山書院(トサンソウォン)の建物群を見学しました。タイムスリップしたような一日でした。
5日目は、陶磁器で有名な利川(イチョン)を訪問しました。約2時間、学生一人ひとりがろくろを廻して粘土からあっと言う間に壺になる過程を体験し、マグカップに学生自らデザインと彩色をしました。1カ月後に自分の作品が送られてきます。ソウルに戻ってからは、朝鮮王朝の宮殿である景福宮(キョンボックン)で韓国伝統衣装の韓服(ハンポク)を体験しました。貴重な伝統衣装を身にまとい、異文化体験を満喫している様子でした。
研修6日目~最終日
研修6日目は、事前授業で企画した「韓国での旅行商品」をグループ別に実践しました。自ら商品として企画した旅行を実践することで、商品として足りないところや良いところが発見できました。最後日には韓国の新幹線であるKTXに乗って仁川空港に行き、7日間の充実した研修を終え帰国しました。
学生の声:研修中に自分の成長を実感した経験は?
- 以前に比べて、積極的に人に話しかけることができるようになりました。国内でも、知らない人に話しかけるのは苦手でしたが、海外では聞かなければわからないことがたくさんあったので、単語を並べただけの英語で、話しかけるようになりました。初めはとても緊張しましたが、案外コミュニケーションを取れるとわかり、話すことが楽しくなりました。また海外に行ったら、たくさんの人といろんな話をし、自分の知識に生かしていきたいです。
(Aさん) - 自分が最も成長できたと思ったのは、積極的にコミュニケーションを取ることができた点です。以前は、海外旅行に行っても英語で話すことに高い壁を感じ、現地の人と交流しようとすることはありませんでしたが、今回、お店の人に積極的に話しかけたり、わからないことがあったら質問するなど現地の人との交流を楽しむことができました。今後も言葉が通じなくても積極的にコミュニケーションをとることで、自分の視野を広く持てたらと思います。
(Bさん) - 異国の地で生活する力がついたと思います。移動手段や予定の大まかな流れが組まれていたとはいえ、班行動の日があったり、夜は自由なときが多かったので友達と街に繰り出したりしました。当たり前ですが料金の表示やメニュー表など周りの言語が全て韓国語だったので、食べ物を注文するときも少し大変でした。外国に行くことも初めてですが、親元を離れて1週間生活すること自体が初めてだったのでなんだか一人暮らしをしたような気分になりました。今回初めて外国に行くという経験ができたので、今後他の国に行くことへのハードルが下がったような気がします。家族旅行でも海外に誘ってみたいと思いました。
(Cさん)
海外旅行研修の実施にあたり、多くの現地スタッフ、関連企業の方々、世宗大学日本語学科学生のみなさんにお世話になりました。厚く御礼申し上げます。
(担当教員 張 景泰【ジャン キョンテ】)