3年ぶりに海外旅行研修をシンガポールとマレーシアで開催
2023/04/17
2023年2月22日から2月28日までの7日間でシンガポールとマレーシアにおいて海外旅行研修を実施しました。政府による水際対策の緩和に伴い、実に2019年以来の3年ぶりの開催となりました。参加学生14名の中で初めて海外へ渡航する学生が8名いました。
事前授業ではHIS本社訪問も
海外旅行研修は、海外旅行を自分で企画・実践できるようになること、外国の観光資源や異文化にふれて外国と日本を比較する眼をもつこと、現地学生と交流を通じて国際人としての素養を育むことを目的としています。
事前学習では自ら1日プランの旅行企画を行いながら、外国の観光資源や文化について学びます。さらに、株式会社エイチ・アイ・エス(以下HIS)シンガポール支店とのオンライン授業で最新の観光事情について学ぶほか、HIS本社を訪問して本学卒業生によるオフィス見学や会社説明を受けて、旅行業界の仕事を学びました。
シンガポール国立大学の学生と交流
海外旅行研修の目玉のひとつは、シンガポール国立大学の学生との交流です。実際にキャンパスを訪問して、学食でのランチをとったあと、教室で交流会を実施。「シンガポールの大学生へのお勧めの日本の旅行プラン」をテーマに4つのチームに分かれてスライドを使って本学学生が発表しました。現地学生は日本研究会というサークルに所属する学生のため日本への関心が高く、活発な意見交換が行われました。
陸路で国境を超える体験
海外旅行研修の特徴のひとつは、シンガポールとマレーシアを陸路で国境を超える体験です。国境を境に雰囲気が一変するのは、島国の日本ではなかなかできない体験です。バスでシンガポールからマレーシアのマラッカへ向かいました。マラッカはかつて数々の列強支配による変遷を繰り返した東西交易の要衝で、市内には仏教寺院、イスラム教モスク、キリスト教教会が混在し、多文化を体感できます。またここマラッカは、ザビエルが日本人と出会い、日本を目指すきっかけになった土地でもあります。
自分で企画した旅行プランを実践
旅程の前半は引率する教員と共に行動しますが、徐々に教員の関与を減らして後半では自力で旅行ができるようなデザインをしています。自分たちで行き先を決め、地下鉄やバスを利用し、食事をし、買い物をします。日本では簡単にできることも文化や習慣などが異なる外国ではそうはいきません。そうした不自由な環境のなかで未知の体験をしながら一つひとつ課題を自力で克服していく過程は、自身の成長につながる貴重な機会となり、それが海外旅行の醍醐味ともいえるでしょう。
そのほか、HISシンガポール支店、マリーナベイ・サンズの統合型リゾート、高級ホテルのマンダリンオリエンタルなど観光産業の現場も訪問しました。
参加学生の声
- 2年生 村田くるみさん 群馬県立太田東高等学校出身
海外未経験のため行く前までは、自分ができるのかとても不安でした。しかし、自分たちで考えて行動したり、現地の人と会話したりするという経験をすることができ、とても自信がつきました。私は英語が得意ではないけれど、ジェスチャーや表情でなんとか対話をすることができると知りました。これからは日本を訪れた外国人が困っていたら、手助けをしたいと思いました。またいろんな国へ行き、世界の人びとと交流をしたいと思いました。 - 2年生 大和田朱音さん 神奈川県立相模原総合高等学校出身
海外旅行研修を終えて、日本と比較しさまざまな相違点を発見することができました。日本とは異なる価値観の世界があることを知ったことは大きなことです。私は今まで自分の知っている知識だけで物事を解決しようとしていましたが、自分の知らないことにも興味を向け、何事にも積極的に取り組んでいきたいと思いました。
2023年度は舞台を韓国に移して実施予定です。初めて海外旅行をする学生はもちろん、世界に飛び立つ若者を後押しする学びの旅になるよう「海外旅行研修」をさらにブラッシュアップしていきます。
担当:観光文化学類 鮫島卓