2021年度 国内旅行研修 ~富山・石川観光資源視察・おもてなしとポストコロナにおける観光産業の仕組みを学ぶ~
2022/02/08
今年度の「国内旅行研修」は、「ポストコロナにおける観光産業の仕組み」と「観光振興を学ぶこと」を目的とし、旅行会社の視察、旅館・ホテルの視察、DMO の視察を計画して研修を実施しました。前期に行われた授業で専門知識を習得し、事前研修を経て、冬季休暇中の12月26日~28日に富山・石川で研修旅行を行いました。参加者は、観光文化学類3年11名・2年7名、人間文化学類英語コミュニケーション専攻2年1名、計19名でした。
事前授業・事前研修
前期の事前授業では、「富山・石川の観光資源研究」、「観光資源調査法」、「フィールドワーク調査法とプレゼンテーションの技法」などの講義後、4つのグループに分かれて富山・石川の観光資源について調査し、プレゼンテーションを準備してバスガイド体験に備えました。また、夏季休暇の事前研修では、近畿日本ツーリスト本社を訪れ、社員の前でプレゼンテーションの練習を行い、貴重なご意見をいただきました。9月初旬に研修旅行を実施する予定でしたが、コロナ禍のために延期され、ようやく実施にこぎつけたのは、東京の感染者数が毎日2桁に収まっていた年末でした。
研修1日目(12月26日)
事前PCR検査、体温チェックなど感染防止対策に万全の注意を払い、待ちに待った研修初日を迎えました。新幹線で雪の富山駅に到着後、バスで富山と石川の観光スポットを移動しながら、4つのグループがそれぞれ、プロの添乗員を前にしてバスガイドの実践をしました。昼食は和倉温泉加賀屋で懐石料理をいただきながら、「和食のマナー講座」を体験しました。食後は和倉温泉加賀屋の支配人からおもてなし講座を受け、館内を見学させていただきました。
学生の声:「バスガイド」と「和倉温泉加賀屋で和食マナー」体験
- 大学に入学して以降、コロナ禍のために人との交流がほとんどなかったのですが、今回の事前学習から研修を通して初めて本当の交流ができ、特に先輩方との交流から多くを学ぶことができました。その中でもバスのガイド実習では、事前学習の時の発表とはまた違い、実際に自分で見ることでガイドの仕事がどのようなものかがよくわかりました。プロの方は説明も丁寧で、言葉遣いや話し方も話しかけられているような感じでした。書いたものをただ読むだけではなく、語りかけるように説明をすることで、聞く方も聞いてみたくなることがよくわかりました。
(Aさん) - 今回の旅行研修で最も学びになったのは、和食のマナー講座です。今まであのように本格的な和食料理を加賀屋のようなところでいただいたことがなかったのでとても印象に残りました。和食では箸の割り方から持ち方、お茶碗の持ち方など、細やかな作法があることを改めて知ることができました。このようなマナーはこれから先、多くの面で必要となるので、この経験を忘れずに生かしていきたいと思います。さらに、このマナー講座を通して、すてきな女性になるためには、正しいマナーを身に着けることが大切だと気付くことができました。
(Bさん)
研修2日目(12月27日)
2日目には、4つのグループに分かれて、研修前の学習で調べた「金沢の観光スポット」を視察しました。それぞれのグループは事前に調べた内容と、観光スポットの現状を比較しながら兼六園、ひがし茶屋街、21世紀美術館、近江町市場などの観光スポットでさまざまな体験をしました。さまざまなアクシデントにも臨機応変に対応して旅の醍醐味を満喫したようです。
学生の声:金沢の観光資源視察(グループ行動)
- 今回の金沢旅行研修で最も学びとなったことは、臨機応変に動くということです。私たちのグループでは、2日目のプログラムで、まず着物レンタルをしてから金沢21世紀美術館、兼六園を巡り、兼六園近くで昼食と金箔貼り体験をし、ひがし茶屋街へ向かうという日程を組んでいました。しかしもともと9月の実施を想定していてその後確認が十分でなかったため、美術館が定休日、着物レンタルと金箔体験の予約がいっぱいという想定外のことが起こってしまいました。しかし、グループの仲間たちと急遽別のお店に予約を取ったり、穴が空いてしまった時間を使って近江町市場を訪れるなど、1日が無駄にならないように予定を変更して動くことができ、結果として充実した1日を送ることができました。この経験によって、今後あらゆる場面で想定される、計画や予定通りに物事が進まなかった際の対応力を身につけられたため、社会に出てからも役立てていきたいです。
(Cさん) - 最も学びになったのは、人とのつながりです。今回の研修を通して、同じグループになった人はもちろん、他グループでも初めて話す人が多かったです。また、2日目のグループ行動で陶芸体験をしましたが、そこでも初めての出会いがありました。コロナ禍で人との距離を取らなくてはいけない、外出自粛といったことから、物理的だけでなく、心理的にも人と距離ができたように感じていました。しかし画面越しではなく、直接会って話をしているうちに、人とつながる楽しさを改めて思い出しました。まだまだコロナとの戦いは続きますが、今後就職活動や社会人生活の中での一つひとつの出会いを大切に、人と長く深く関わるということを実践していきたいと思います。また、既に出会った人も大切にしていきたいです。
(Dさん)
最終日(12月28日)
3日目の最終日には、日航ホテル金沢で「テーブルマナー講座」と「ホテル施設の見学」を行いました。フレンチコース料理をいただきながらQ&A形式で本格フランス料理のマナー講座を受けました。その後4つのグループ別に宴会場、客室、結婚式場、会議室などホテル施設を回りながら説明を受けました。最後若干の自由時間後に金沢駅で新幹線に乗り、東京駅に到着後解散し、無事旅行研修を終了しました。
学生の声:日航ホテルにて「テーブルマナー講座」体験
- 3日目のテーブルマナー講座が1番勉強になりました。私は今まできちんとしたフランス料理のテーブルマナーを学んだことはなく、見よう見まねで食事をしていました。食事によってナイフやフォークの大きさが違うこと、お皿の温度も料理に合わせて考えられていることなど、初めて学ぶことが多かったです。お客さまのペースに合わせて料理を提供し、取りやすい置き方で提供することが大切なのだと思いました。今後、結婚式や接待の場などでコース料理の食事の機会があると思います。その際には今回学んだことを生かしていきたいと思いました。また、今回学んだ「お客さまのことを1番に考える」ということはレストラン業界だけでなく、どの職業に就いても大切になってくることだと思います。お客さまが望んでいることを言われなくても察して、行動に移せるようになりたいと改めて感じました。
(Eさん) - 私は、ホテル日航金沢で行われたフランス料理テーブルマナー講座の際に、さまざまな角度からの感想を述べていた学生のみんなから、多くの学びや気づきを得ることができました。テーブルマナーのことに焦点を当てて感想を述べる人や、自分が目指す業界から関連付けて感想を述べる人、また従業員側の視点からおもてなしについての感想を述べる人など、感想の内容は人ぞれぞれでした。私はこれらのさまざまな角度から述べられた感想から、そのような考え方があったのか、そのように自分が目指す業界と関連付けて生かすことができるのか、というように新たな発見を得ることができました。このような学生同士の交流から、自分の考えとはまた違った考え方を知ることができたため、多角的な視点を養うことができたと思います。
(Fさん)
学生の声:最も印象に残ったこと、学んだこと
- 旅行研修3日間の中で最も学びになったことは、自分・将来のことを多角的に考えられるようになったことです。理由は2点あります。1点目は実際に観光業界で働いている人の生の声を聞き、施設を見学できたことです。今まで講義で観光を学んできましたが、やはり実際に聞かないと分からない良い面を知れました。そして、コロナ禍の現状など悪い面も聞くことができました。観光分野に就職するかは未定ではありますが、実際にお話を聞いたことで「働く」ことのイメージが湧いてきました。2点目は、グループ行動をしたことです。今まで発表やグループワークが苦手で、避けてきていました。しかし、今回の研修を通して短時間ではあったものの後輩や初めて話した方と交流したことで、自分の得意・不得意が分かりました。以上のことから「働くこと」を考え、自分自身の弱みを改善して今後のアルバイトや就職活動に役立てていきたいです。
(Gさん) - コロナ禍で研修が延期になったこともあり、学生もそうですが、先生方や研修先の担当者さん、近畿日本ツーリストの担当者さんなど、多くの方が大変な思いをしたのではないかと思います。また研修を通してたくさんの方のご協力があったからこそ実現できた国内旅行研修だったと実感しました。何度か諦めざるを得ない状況にもなりましたが、諦めないでよかったと感じましたし、実施の許可をくださった学長や実施に尽力くださった先生方には心から感謝しております。学びが多く、とても楽しい研修でした。ありがとうございました。
(Hさん)
この授業・研修を行うにあたり、多くの現地スタッフ、関連企業の方々、学園の関係者、先生方には大変お世話になりました。昨年度の旅行研修は中止を余儀なくされ、今年度も実施が危ぶまれる状況のなか、研修の実現にご協力くださった全ての皆さまに厚く御礼申し上げます。
(担当教員 張 景泰、鮫島 卓)