2019年度 海外旅行研修 ~シンガポール観光資源視察・現地学生との国際交流~
2019/10/17
「海外旅行研修」は、「観光資源および観光産業の視察」と「国際交流」をコンセプトに、観光資源の見方をプロの視点から学び、国際感覚を育てることを目的としています。前期に行われる授業で専門知識を習得し、国内での事前研修を経て、夏季休暇中の9月3日~8日にシンガポールで研修旅行を行いました。参加者は国際文化学科の3年生3名と観光文化学類の2年生9名でした。※
シンガポールフライヤーからの景色
マリーナベイ地区の夜景
事前授業・研修
前期の事前授業では、教員が「シンガポールの観光資源研究」「観光資源調査法」、H.I.S.社員が「シンガポール旅行に関する全体説明」の講義を行い、学生たちはグループ別に日本の伝統文化について調査・資料作成をしてプレゼンテーションに備えました。また、出発前の事前研修でH.I.S.本社を訪れ、社員の前でプレゼンテーションの練習を行い、貴重な意見をいただきました。
研修1日目
機体トラブルで出発が約2時間遅れましたが、深夜便で無事シンガポールに早朝到着。早速統合型リゾート(IR)の観光資源を調査するため、マリーナベイ地区とセントーサ島を訪れ見学しました。早朝から夕方まで活動が続き、体力をかなり消耗しましたが、学生自身の目で統合型リゾートを確認することができました。
学生の声:統合型リゾートの体験
- ずいぶん歩いた気がするが、まだ行けてないエリアがあり、その広さに驚いた。またカジノが印象的で、写真を撮ることはできなかったが、その美しさは思い出に残っている。夜のカジノがどのような賑わいだったのか気になるところだ。(Aさん)
- シンガポールフライヤーに実際に乗ってみて、シンガポール全体の美しい夜景を見ることができた。昼とはまた違った雰囲気なのがよかった。中も広くてくつろぐことができた。以前から乗ってみたいと思っていたので、感動が大きかった。(Bさん)
シンガポールチャンギ空港に到着
マリーナベイ・サンズ展望台にて
研修2日目
主に観光産業の視察をしました。午前はH.I.S.シンガポール支店を訪問し、現地で勤務している日本人スタッフから「シンガポール観光の現在と未来」「旅行会社の海外業務」についてレクチャーを受けました。その後、高級ホテルとして世界的に有名な「ヒルトンホテル」、「コンラッド・センテニアル・シンガポール」を訪問し、詳しい解説と施設の案内をしていただきました。
H.I.S.シンガポール支店にて
H.I.S.現地スタッフによる説明
ヒルトンホテルのプレジデントルームで
コンラッド・センテニアル・シンガポールのロビーで
学生の声:観光産業の視察
- H.I.S.シンガポール支店では社員の方が日本を飛び出して働こうと思った理由を話してくださり、お客様を楽しませようとする心意気を感じられて、「海外で働く」という今までなかった選択肢も視野に入るようになった。ホテル視察では、どちらも高級ホテルだったこともあり、アメニティが充実していた。水のサービス、ぬいぐるみのスーベニア、日本人への浴衣など細かなところまでサービスが行き届いていて、「おもてなし」の心は世界共通なのだなと感じた。(Cさん)
- ホテルを視察した際に、日本語が聞こえてきて、日本からの客が多いと感じた。レセプションにも日本語で案内して下さる方がいて、そういった点が日本人の観光客に選ばれている理由の一つなのではないかと思った。ヒルトンホテルの朝食には、白米や味噌汁などの日本食も提供されており、おもてなしを直に感じることができた。(Dさん)
研修3日目
シンガポール国立大学を訪問し、現地の日本研究会の学生と一緒に午前はキャンパスツアーをし、午後は日本文化勉強会、交流会をしました。シンガポールは多民族国家なので、大学にも多くの留学生がいます。昼休みに訪れた大学内のフードコートでも多様な人々を目にしました。学生たちは自分の選んだ国際色溢れる食事を堪能しました。
午後は、用意してきたプレゼンテーションを行いました。テーマは、①日本の季節と着物、②日本の占い、③魅力あふれる日本の地方、④日本の折り紙と和柄についてでした。発表後、発表内容を中心に日本とシンガポールの相違点、共通点について議論を交わしました。最後にシンガポール国立大学の学生をレストランに招き、楽しいひと時を過ごしました。
学生の声:現地学生との国際交流
- 折り紙を皆で折ろうと計画しており、現地の皆さんも楽しみにしていてくれたのに、時間の関係でそれができなくて非常に残念だった。しかし、私たちの班はプレゼン直前に難しい日本語を使うのをやめようと話し合い、変更をしたことが功を奏したようだ。他の班よりも反応の声が大きく感じられ、分かってくれたのかなと思い、嬉しかった。現地の学生には日本語が完璧ではない方もいたが、お互い日本語と英語を混ぜながら、ジェスチャーも交えて話すことで分かりあえ、笑いあえて良かった。言語が分からなくても、心の交流ができることを、身をもって感じた。(Eさん)
- 前期授業での反省点を踏まえ、パワポをシンプルにし、具体的に伝わるように改善した。当日はとても緊張したが、大学生のみなさんがフレンドリーにお話してくれたので楽しく過ごすことができた。日本のことを好きでいてくれてプレゼンを真剣に聞いている姿を見て、自分を見つめ直すことが出来た。(Fさん)
シンガポール国立大学の広場前で
現地学生を前にして日本文化プレゼンテーション
真剣な表情で発表を聞く現地学生
現地学生との交流会
最終日
終日自由行動となり、グループごとに見逃した観光スポットや観光施設を見学しました。最後にはシンガポールチャンギ空港の新観光スポット「JEWEL」を見学し、感動にみたされてシンガポールをあとにしました。
学生の声:最も印象に残ったこと、学んだこと
- 夜景の美しさや、街の綺麗さ、住みやすさなど、印象に残ったことが多すぎて、一つを選ぶのは難しい。拙い英語でも十分に伝わるのも、彼らが真剣に聞いてくれたからだと思う。日本人とわかると、一生懸命日本語で話しかけてくれ、「勉強のために来た」と言うと、シンガポールのおすすめスポット、人種や宗教の特徴などを教えてくれた人もいた。1日1日の全てが新鮮で、全てが印象的だった。出発前は、楽しみな気持ちと不安な気持ちが半々だったが、それが「楽しい」と言う気持ちに変化したことがいちばん印象に残ったことかもしれない。(Gさん)
- 事前にその国のことを詳しく調べ、考察して共有していたため、現地を訪れた際に様々な発見があった。学習したことをアウトプットすることの楽しさもわかり、あらためて事前学習の重要性を知ることができた。旅行中の時間がより濃密に感じられ、帰国してからもシンガポールについて興味や関心を持ち続けることができるのも、事前学習の成果だと感じた(Hさん)
セントーサ島のビーチで自由時間を満喫
話題の新観光スポット「JEWEL」前で
この授業・実習を行うにあたり、多くの現地スタッフ、日本の関連企業の方々、シンガポール国立大学の日本研究会学生のみなさんにお世話になりました。厚く御礼申し上げます。
(担当教員 張 景泰【ジャン キョンテ】)
- ※ 人文学部 国際文化学科とは、人間総合学群 観光文化学類の前身となる学科です。