2019年度 国内旅行研修レポート ~国際化する観光の現場から世界に通用するおもてなしを学ぶ~
2019/09/24
「国内旅行研修」は、「日本の魅力を世界に伝えるおもてなしの実践」をコンセプトに、国際化する日本の観光産業の現場を訪れて、プロの視点・技術を学ぶことを目的としています。前期期間中に教室での授業で専門知識を習得した後に、夏季休暇中に1泊2日の研修旅行を行います。今年の研修旅行は、9月11日~12日の日程で行われました。
事前授業では、教員による「訪日外国人観光の現状と課題」、「添乗員・ガイド業務の基礎」、JTB社員による「旅行業の環境変化と魅力」に関する講義を行いました。今年入社のJTB新卒社員から進路に関するアドバイスも受け、とても良い機会となりました。また、元JAL客室乗務員の講師による身だしなみ・マナー研修も行い、企業訪問に備えました。ひとりずつきめ細かくメイク・服装・表情・挨拶などアドバイスを受けていきます。
研修旅行では、学生が外国人旅行者に対して英語による観光ガイドを行います。その準備として、訪問予定の箱根の観光資源調査や英語でのプレゼンテーションを行いました。当初恥ずかしそうに発表していた学生たちでしたが、何度も練習を繰り返すうちに徐々に真剣なまなざしに変わっていくのが印象的でした。
研修旅行1日目の午後は、JAL羽田空港オペレーションセンターで、運航乗務員・客室乗務員の出発前ブリーフィングの様子を見学。専門用語が飛び交う活気ある現場を肌で体感することができました。乗務員、チェックインカウンター、搭乗ゲート、運航管理士、管制との連携など、航空産業が多くのスタッフのチームワークで成り立っていることがわかりました。学生から活発な質問も寄せられ、普段目にすることができない航空会社の舞台裏の見学は、学生たちにとって貴重な機会となりました。
- 客室訓練部は鳥肌がたった。CAの皆さんがつなぎを着てトレーニングをしていて、厳しいトレーニングを乗り越えて機内に立っていることに改めてすごいなと感じた。
(Kさん) - ブリーフィングルームで、パイロットやCA皆さんが「こんにちは」と笑顔で声をかけてくれ、生き生きと仕事をしているところを見て感動しました。誇りを持って仕事をされていることが伝わり、感激しました。
(Mさん)
その後、世界初のロボットホテルとしてギネスブックにも登録された「変なホテル」にチェックインし、宿泊しました。ロボットスタッフのチェックインに学生たちは興味津々。観光における新しいテクノロジーの進化を体験しました。支配人からホテルの取組みやインバウンドへの対応など解説していただきました。レストランでは日本人より外国人の方が多かったことからも、日本の宿泊産業が急速に国際化していることを実感できました。
研修2日目は、添乗員・英語ガイド実習を目的としたバスツアーを行いました。この日は、アルゼンチン人、チュニジア人の旅行者が実際に乗車し、はとバスで通訳案内士として活躍するプロガイドの指導のもと、英語ガイドの実践を全員が行いました。練習の成果を発揮して、素晴らしいプレゼンテーションができました。「日本のことを一方的に伝えても外国人は興味を示さない。相手の国との比較や世界の視点から見た日本を伝えることが大切です」という講師のアドバイスが印象的でした。
訪れた箱根は、訪日外国人旅行の「ゴールデンルート」上の観光地ということもあり、多くの外国人に出会いました。レストランのメニューや観光施設の案内板で外国語表記が見られ、インバウンドに対応する観光地の現状を知ることができました。
- 最も印象的だったのは、英語ガイド講師の声量、声のトーン、そして何よりも楽しそうな雰囲気です。ひとりひとりにアドバイスをいただき、良い点や課題が明確になり、多くの新しい発見がありました。
(Sさん) - 実際に外国の方にインタビューする機会があり、良い体験になりました。この2日間で、航空会社、ホテル、バスツアー、英語ガイドなど充実した体験ができ、参加して良かったです。
(Mさん)
現代は、日本国内で外国人に出会う大交流時代です。外国語の習得はもちろん、相手の立場にたったおもてなし、日本の文化や魅力を伝える重要性が増しています。この研修は、国際化する日本の観光産業の現場を体験する絶好の機会となりました。
この授業・実習の中で、多くの企業の方々にお世話になりました。末尾ながら深く御礼申し上げます。
(担当教員 鮫島卓)