木材・合板博物館を見学してきました。
2023/06/29
住空間デザイン学類には、ものづくりに関わるいろいろな素材について学ぶ「加工・材料学」という授業があります。この授業では、建築や家具などを作る際の重要な材料である木についての理解を深めるために、毎年「木材・合板博物館」の見学会を行っております。
この博物館は、日本に合板(ごうはん)が誕生して100年の節目にあたる2007年10月に、木材・合板に関する資料を広く収集・保存・展示する世界で唯一の博物館として東京の新木場にオープンしました。今年は、梅雨の晴れ間の6月17日(土)に見学してきました。
前半は、4階のレクチャールームで博物館の佐藤館長から木質系材料についての講義を受けました。以前東京大学で木材の研究や教鞭をとられていた佐藤館長の講義はとても専門的で、学生たちは私の授業では得られない新たな知識を身に付けることができたようです。
後半は、3階の展示フロアに移動して実際に合板の突き板を作るロータリーベニアレース(丸太を大根のかつら剥きのように薄く剥く機械)の実演やさまざまな木材標本、各種合板、CLT、木造建築模型などの展示を見ながら説明を受けました。
目の前でヒノキの丸太がどんどん薄い板になって出てくるロータリーベニアレースの実演は、みんな初めてのとても新鮮な体験だったようです。
今回の見学は、今後の建築の授業やインテリアコーディネータ-の受験などにも役立つ知識が身につくとても充実した見学会でした。
「加工・材料学」担当 榎本文夫
参加学生の感想
- 4年TMさん
授業で紹介されたものの実物に実際に触ることや水に浮べる実験ができるなど、見学したことで授業の理解を深めることができたと思います。合板を作る時に行うかつら剥きの工程を実際に見ることができたのも貴重な経験だと感じました。 - 3年HNさん
木材・合板博物館を見学させていただき、木材や合板から環境問題や接着剤についてまで、建築・インテリアについて学んでいる私たちにとってたくさんの学びとなるお話が聞けました。特に印象に残ったロータリーベニアレースの実演は、木材・合板博物館でしか見ることができないので貴重な経験となりました。 - 2年OHさん
木材・合板博物館では実物が展示されていたため、合板とLVLの違い、CLTと集成材の違いを詳しく理解することができました。また原木の切り方や、板の重ね方一つで木質建材の特徴が変わるのはとても面白く、興味深いと思いました。 - 2年ORさん
今回の見学を通して木材の新たな可能性を肌で感じ、講義や館長さんの説明から学ぶことができました。実際に合板を作る過程であるロータリーベニアレースを動かしてもらい単板が出てくる姿を見られたことはとても貴重でした。木の用途を考え成長させていることや、CLTなどのさらに注目されるべき木造建築が世界の中心になっていく姿への期待がより大きくなりました。