ホテル見学から宿泊施設デザイン制作へ
2020/04/03
3年後期のインテリアデザインIIの授業では、宿泊施設デザイン課題に取り組んでいます。宿泊施設は非常に多様な機能を持つ空間であるため、実際に運営されているホテル見学を行い、その後に学生各自の考えるオリジナルなホテルの企画提案を製作します。
現在日本では数多くの新しいホテルがオープンしていますが、その中でも、2018にオープンし話題の『ハイアット セントリック 銀座 東京』を今回は見学させて頂きました。こちらはハイアットグループのライフスタイル ホテルブランド HYATT CENTRIC のアジア初上陸拠点として数々のデザイン雑誌に掲載されており、学生一同、期待に胸を膨らませて見学に臨みました。
開放的な空気感の中に現代という時代の鼓動を映すHYATT CENTRICブランドですが、東京では常に新しい文化を柔軟に受け入れつつ伝統を大切にしてきた銀座の中の、大手新聞社跡地という由緒ある場所に立地しています。ホテル内にはその土地ならではの歴史を残存すべく、モチーフとして展開される数々の素晴らしいアートワークが随所に散りばめられており、訪れる人をワクワク自由な気持ちにさせながら、心地よくリラックスモードへ誘う仕掛けが満載で、学生にとっては畏まりがちなホテルの概念を良い意味で覆される幸福な時間となりました。
学生のハイアット セントリック 銀座 東京 見学感想
- 今回“良い”ホテルを見学させて頂き、ホテル=泊まるという固定概念が崩れました。優れたデザインには街の歴史や文化が組み込まれており、街を知ることの出来るホテルでした。ホテルの方からコンセプトやデザインについて生の声を聞くことが出来た事は貴重な体験であり、この大学に入って良かったと思える瞬間の1つでした。
- 「和」を連想させるものが多くあり、グローバルなゲストで賑わっていました。銀座の街の要素である、「メディア、ファッション、ランドスケープ、エンターテインメント」を基に内装デザインをしており、泊まる場というだけでないワクワク感に満ちていました。客室も細部までこだわっており、テーブルが洗面台に変わるトランスフォームの機能を持つインテリアなど限られたスペースを有効的に使う工夫がされており、今後の課題に繋げられるようにしたいです。
- レセプションのチェックインカウンターが対面型でなくアイランドテーブル型であったり、ホテル内に24時間アクセシブルでスタッフも使用可能なジムが併設してあったりと、人と人との距離が近く、親しみやすいと感じました。又、新聞社があったという土地ならではの活版文字や銀座の地図などのアートワークが館内に沢山あり、その空間に居るだけで楽しくなってしまうようなホテルでした。
さて楽しい刺激に満ちたホテル見学の後は学生各自のオリジナルの宿泊施設計画の進行です。立地も各自のコンセプトにあった場所を選び計画を進めます。今年も、盆栽、アート、記念日、益子焼、蔵、包む…etc.学生らしいフレッシュなアイデアと熱意に溢れたテーマを持った計画が多く出来上がりました。以下はそれらの計画の中のごく一部のページです。学生たちの作品は学内で展示していますので、ぜひオープンキャンパスなどでご覧ください。
宿泊施設デザイン課題を終えての学生感想
- 私は旅の目的となるホテルを企画、設計しました。設計していく上での課題点は、寝るだけの空間にしない事でしたがそんな時、思い出したのが「ハイアット セントリック 銀座 東京」の見学で、泊まるだけでなくあの空間だから行きたいと思う様なデザインでした。このホテルを目標として、自身の設計に取り組む事で地域遺産や特色を生かしたオリジナリティのある作品を作り上げる事ができました。この授業で先生方の指導と共に見学の経験が作品に生き、自身のプラン力の向上にも繋がり、成長する事ができました。
- 私は見学したホテルの遊園地に来たかのようなワクワク感が常に頭にあり、ただ泊まるというホテルの理解が変わりました。この見学を経て訪れる方を楽しませ何かを感じて貰えるようなホテルをデザイン・設計しようと考えました。そこで、地域資源である地酒の蔵から飛行機が見える立地を生かしたホテルを計画し地域活性化を目指すホテルを提案しました。