UR都市機構「集合住宅歴史館」見学をとおしてこれからの団地を考える
2019/12/25
1年生「住空間デザイン入門Ⅱ」の授業で「日本の住まい(団地とは何か)」という課題に取り組みました。戦後の「日本の住まい」として大量供給された「団地」について、誕生の背景や当時の生活、間取りの変遷などについて学び、そのうえで「これからの新たな団地の使い方」についてグループで提案する課題です。
まず、多くの「団地」を供給してきたUR都市機構の「集合住宅歴史館」を見学しました。移築復元された同潤会アパートや昭和30年代の公団住宅の住戸等を見学するとともに、住宅の遮音性能実験などをとおして住宅の基本性能についても学びました。写真とともに学生の感想を一部ご紹介します。
学生の感想
- 晴海高層アパートは10階建ての建物で、エレベーターがすべての階に止まるのではなく、3、6、9階だけに止まるように設置し、そこから階段を使って部屋にたどり着くという方法が印象的だった。当時の限られたコストのなかで、このようなアイディアが出てくることはすごいことだと感じた。(M.K.)
- 蓮根団地はテーブルで食事をするスタイルが確立していて、今の私たちの生活にも影響を与えていると感じた。団地は住民同士でコミュニケーションをとる共有スペースが多く設けられており、交流を図ることができるのはいいことだと思った。(M.C.)
- 全体的にあまり窮屈さを感じなかった。例えば、独身専用の部屋に造り付けのベッドを置くことで自由に使えるスペースが増えていた。また、皆で使える食堂や銭湯は便利だと思った。無駄なスペースがない部屋が多かったように感じる。(Y.R.)
- 実際に団地に住んだことがあるが、音の問題は気になっていた。遮音性能の実験でいくつかのパターンでどれくらいの遮音効果があるかを数値と自分の耳で確認できて面白かった。(Y.S.)
続いて、現在各地で取り組まれている団地再生のプロジェクトを調べたうえで、団地の魅力や抱える課題に基づいたこれからの新たな団地の使い方についてグループで考え、プレゼンテーションを行いました。各グループがさまざまなテーマを掲げ、大学生目線から団地の未来を考えました。「人が集まり幅広いニーズに対応できる団地」「女子大生が住みたくなる団地」「持続循環型の団地」など多彩な視点からの考察があり、プレゼンテーションシートのまとめ方やプレゼンテーション手法にも工夫が見られました。
最後に、見学にご協力いただきましたUR都市機構の皆様へ感謝申し上げます。