第43回学生設計優秀作品展(WEBレモン展)に出展しています

2020年3月卒業 河又沙奈恵さん(茨城セキスイハイム株式会社 勤務)

今年度はWEB開催となった「第43回学生設計優秀作品展 -建築・都市・環境-(レモン展)」に、2020年3月に卒業した河又沙奈恵さんが、本学の代表として卒業制作「偕に楽しむ公園へ」を出展しています。会場展示は行われませんでしたが、2020年9月から2021年3月までの約半年間WEB開催されています。コロナ禍に社会人としての新しい一歩を踏み出した河又さんに、卒業制作のこと、レモン展のこと、そして仕事のことなどについてインタビューしました。

  1. ※ 「レモン展」は、1978年からレモン画翠が主催する、大学・専門学校建築科の卒業設計から優秀作品を展示する卒業設計作品展です。
  • 卒業制作「偕に楽しむ公園へ」 画像クリックで拡大表示
    卒業制作「偕に楽しむ公園へ」
    画像クリックで拡大表示
  • 卒業制作「偕に楽しむ公園へ」 画像クリックで拡大表示
    卒業制作「偕に楽しむ公園へ」
    画像クリックで拡大表示

河又さんはハウスメーカーに就職されました。今はどんな仕事をしていますか?

私は技術企画部という部署に配属になりました。現在は主に、お客様との打ち合わせの際に使用する、家の3Dを作る仕事をしています。お客様は図面からではどのように家ができあがるのか想像がつきにくいため、3Dがあることでより分かりやすく納得のいく家づくりができるようになります。3Dはお客様だけでなく、設計担当者も納まりなどの確認ができ、施工面でも役立つ仕事です。
現在の仕事は、大学の学外実習で学んだスキルが生かせているので、学外実習という貴重な機会をいただけたことを感謝しています。

新型コロナウイルスの影響で入社早々大変な環境でのスタートを切ることになったと思いますが、社会人生活はどうですか?

会社側も予期せぬ状況にあった時期だったので、入社してからはとても慌ただしく、気がついたら間もなく一年が経ちます。私は地元の茨城で就職したので、東京ほどは仕事に影響はなかったと思いますが、入社して配属早々2日に一度の出勤になり、仕事に慣れるのは大変でした。現在は仕事にもようやく慣れ、任される仕事が多くなってきました。あっという間に一年が経ってしまい、間もなく後輩が入ってくることに焦りを感じ、もっと成長しなければ! と日々仕事に励んでいます。

卒業制作「偕に楽しむ公園へ」はどんなコンセプトですか?

地元の魅力向上というコンセプトでこの作品を作りました。茨城県は一昨年まで7年連続魅力度ランキング最下位の県で、私の地元の水戸市には日本三大名園の1つである偕楽園があります。しかし、その偕楽園に停車する駅は、一番の見所である梅まつりが開催される16日間のみ開かれる臨時駅です。このことが、自ら魅力を限定してしまっているような気がしてなりませんでした。そこで、16日間しか使われることのない駅にスポットを当て、停車しない期間もわざわざ来たくなるような場所にしようと考え、作品を作りました。ただ魅力的な駅を作るのではなく、地元の魅力や、地元の人と観光客の交わり、偕楽園創設のコンセプトを感じさせる空間になっています。

  • 敷地模型:南側に千波湖、北側に偕楽園が広がる
    敷地模型:南側に千波湖、北側に偕楽園が広がる
  • 建築模型:1年を通して人が集まる偕楽園駅へん
    建築模型:1年を通して人が集まる偕楽園駅へ

卒業制作を振り返って、楽しかったことや苦労したこと、頑張ったことは?

卒業制作は大学での一番の思い出です。テーマや作りたいものを自由に決められる最初で最後の課題だったので、楽しんで作ろうと思って取り組みましたが、時には毎日考えているのに自分の考えがまとまらず、楽しいはずのものが辛く苦しくなることもありました。今思うと、約1年間取り組んだ課題でしたが、調べたり自分で考える期間が長く取れたことがとてもよかったと思います。その期間があったからこそ、まとまらない苦しさを乗り越えて、最終的に自分の考えをきちんと作品にすることができました。
特に頑張ったことは、模型制作です。敷地模型は自分の作品の雰囲気を残しつつ敷地の高低差や自然に囲まれている様子を表現しました。建築模型はとても大きな作品でしたが、完成を楽しみに日々作っていました。屋根の表現はとても苦労しましたが、ゼミの先生と頻繁にコミュニケーションを取るように心がけて、アドバイスをたくさんいただいていました。

  • コツコツと着実に作業を進めていました
    コツコツと着実に作業を進めていました
  • 全長250m(模型は縮尺1/100で2.5m)の模型制作
    全長250m(模型は縮尺1/100で2.5m)の模型制作

今年のレモン展はWEB開催となりました。出展をとおして感じたことは?

今年はコロナウイルスの影響でWEB開催となり、苦労して作った模型やプレゼンボードを間近で見ていただけないことはとても悔しかったです。ですが、プラスに考えると、WEB開催で会場に足を運ばずともさまざまな方に見ていただけるということはとてもうれしいことです。他大学の方々の作品を見ると、学べることがとても多く、刺激になります。卒業制作はやはり大学生活の中で最も力を注いだものであり、一番の思い出なので、このレモン展に出展できたことはとても誇りに思います。

最後に、後輩へメッセージをお願いします。

社会人になって学ぶこともたくさんありますが、大学でしか学べないことや経験できないことはもっとたくさんあると感じています。今やりたいと思うことを、とことん行動に移してほしいです。住空間の先生方は多方面で活躍されており、就職活動の際や何かやりたいことができた時に相談に乗ってくださる先生がたくさんいると思うので、ぜひいろいろな話を聞いてみてください。卒業制作は4年間の集大成なので、ぜひ、自分の全てを出し切った! やり切った! と思える作品が作れるよう、精一杯頑張ってください!

  • スタジオでホキ美術館見学へ
    スタジオでホキ美術館見学へ
  • 富山の旅にも行きました
    富山の旅にも行きました

第43回学生設計優秀作品展 -建築・都市・環境-(レモン展)
WEB展示期間:2020年9月~2021年3月31日(水)

卒業生から :新着投稿