東金市の八鶴館で卒業制作をプレゼンテーションしました。
2023/04/06
2022年度の卒業制作で由緒ある旅館建築の再生計画を提案した卒業生が、現地の関係者の方々へ作品をプレゼンテーションしました。
2023年3月に卒業した中村阿由美さんの卒業制作「うつろいの湯 ~八鶴館(はっかくかん)の再生による東金の街おこし~」は、千葉県東金市の国登録有形文化財「八鶴館」を一部再開発し、地域活性化を目指した温浴施設を計画するものです。コロナの打撃で収益が減少し、建物の維持が難しい現状を踏まえ、永続的な収益の確保と地域住民の憩いの場所となるような温浴施設を提案しています。
2022年度卒業研究「うつろいの湯 ~八鶴館の再生による東金の街おこし~」作品へのリンクはこちら
卒業制作を始めた当初、中村さんは近くの別の敷地に温浴施設を計画していました。しかし現地をたびたび訪れて関係者の話を聞くうちに、八鶴館の再生のために温浴施設を併設することに計画を変更しました。そして古い木造建築の隣に新たに温浴施設を増築して中庭も再整備し、その収益で古い建物を修復して保存・再活用する計画をまとめました。
中村さんは計画の途中から現地のボランティアにも加わり、この先も建物の保存と再生に関わっていくことになりました。卒業研究は架空の計画にとどまらず、社会の動きと連動することで、人や街を実際に変えていく可能性もあります。これからの展開を楽しみに見守りたいです。
(佐藤勉)
中村 阿由美さんのコメント
現地で月に2回開催されるお掃除ボランティアのあとに時間を設けていただき、模型とPowerPointを用いた発表をさせていただきました。ボランティアの方々はとても関心を持って聞いてくださり、質問や感想をいただくことができ、とても有意義な時間でした。
また、コロナ禍の影響で久しぶりの開催となった桜祭りは大盛況で、期間中に行われる建物の一般公開の中で、模型とパネルの展示を行っていただきました。「みんなの八鶴館」代表の宮原さまをはじめとしたたくさんの方々のご協力で、この卒業制作は完成しました。大学生活の集大成ということだけでなく、今後も続いていくものだと感じています。現地で見ていただいたことで、この卒業制作が保存と再生を進めていく何かひとつのきっかけになるといいなと思っています。