駒女ゆかりの地で日本文化にふれる(日本文化ゼミ正課学外活動)
2022/12/08
10月1日(土)、山本ゼミは教室を飛び出し、駒女にゆかり深い世田谷の桜新町周辺(曹洞宗善養院・長谷川町子美術館・桜神宮)を散策しました。
駒沢女子大学の前身・駒沢高等女学校に隣接していた駒沢給水塔をスタートした一行は、最初の目的地である元和2年(1616)創建の曹洞宗善養院に向かいました。山門をくぐると大きなケヤキの木がゼミ生をお出迎え、境内を散策後に御住職様の御計らいにより本堂に上がってお参りすることができました。善養院の本堂は、昭和20年5月に駒沢高等女学校の校舎が空襲により焼失した際に「仮教室」となった、現代の駒女生にとってもゆかりの深い場所でもあります。
ついで訪れたのは長谷川町子美術館・記念館です。長谷川町子先生(1920-1992)は、国民的人気マンガ『サザエさん』の原作者です。美術館では収蔵品を学芸員の先生に解説していただき、ゼミ生は熱心に耳を傾けていました。記念館では予定時間をオーバーしてしまうほど昭和文化を象徴する『サザエさん』の原画など貴重な品々を鑑賞しました。
最後に向かったのは古式神道の伝統をくむ「桜神宮」です。幸運にもゼミ生たちは拝殿に上がり「学業成就」の御祈祷を受けることができました。ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲/1850 -1904)は、日本文化をより深く理解するには、テキスト(書物)だけでなく、日本文化の“心”に直に触れる必要があると説きました。堂内に響く太鼓の音、神主様の厳かな祝詞と御祓い、玉ぐしの奉呈など、普段、教室では学び得ない日本文化の“心”を感じ得ることができたでしょう。
以下、学生の感想を一部抜粋して紹介します。
- 人生で初めて足を運んだ長谷川町子美術館・記念館では、収蔵コレクションや自伝的作品などを鑑賞しました。今まで『サザエさん』という作品を通してしか知らなかった長谷川町子という人物を、さまざまな角度から感じることのできる特別な空間でした。短時間では見切れないほど展示が充実しており、長く愛されるアニメになった理由を垣間見ることができました。(S.Yさん)
- 桜神宮では人生初のお祓いを体験しました。お祓いという言葉の印象から、禍々しいものを想像していましたが、厳かな儀式は静かながらも迫力ある太鼓の音が響くなど、心がおのずと浄化されるような雰囲気が印象的でした。今回のお参りできっと厄が落ちたはずです。勉学に集中し、よりよい部活動もできるように励みたいと思います。(A.Sさん)
- 桜神宮では拝殿にあがってお祓いと学業成就のご祈祷を受けました。静寂に包まれる堂内に響く厳かな太鼓の音がとても心に残っています。神道は、仏教が伝来するよりもはるか昔から日本にあった日本固有の宗教です。今回の学外研修で古来より八百万の神々を大切にしてきた日本人の心に接することができたように感じました。(M.Kさん)
よりみち
当日はたまたま善養院の近くの久富稲荷神社の例大祭でしたので、解散後に有志とともに境内に足を運びました。この3年あまり、日本各地の祭礼はコロナ禍で中止を余儀なくされました。神社の参道には色とりどりの屋台が並び、たこ焼きやお好み焼き、射的など実に賑やかな雰囲気、ゼミ生は思い思いに楽しい時間を過ごしました。
山本 元隆