日本文化ゼミ探訪 ―文字に込められた日本文化の“心”を探る―

『続沙石集』は江戸時代の僧・南溟が蒐集した仏教説話集です。鎌倉時代の『沙石集』に模して、「東談西話」の説話に南溟みずからコメントを書き添えたので、『続沙石集』と名づけられました。
授業ではゼミ生とともに『続沙石集』の第一巻から精読しています。『続沙石集』の最初の説話は、日本が世界に誇るユネスコ世界文化遺産「厳島神社」に関する記録です。「仮名まじり文」の刊本をひも解き、文字を活字におこし、分からぬ語句を一字一句ていねいに調べます。こうした「こまやかなよみ」を通して、厳島神社のいにしえの歴史や江戸当時のにぎわう様子、さらには作者南溟が後世に書き伝えんとした日本文化の“心”にふれることができます。

  • 駒沢女子大学図書館所蔵『続沙石集』(寛保三年自序)
    駒沢女子大学図書館所蔵『続沙石集』
    (寛保三年自序)
  • 『続沙石集』巻一「厳島得名の事」冒頭部分(駒沢女子大学図書館所蔵)
    『続沙石集』巻一「厳島得名の事」冒頭部分
    (駒沢女子大学図書館所蔵)

『続沙石集』には、厳島神社など寺社・地名の縁起物語、江戸時代のさまざまな風習や世にも不思議な霊験譚などバラエティーに富んだ六十二もの説話が収録されています。ゼミでは『続沙石集』をていねいに読みながら、一字一句の文字に込められた日本文化の“心”をともに学び、考えていきます。

山本 元隆

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