2025年度 セジョン大学(韓国)ホテル観光学部 留学体験報告

人間総合学群観光文化学類2年
22410085 崎浜祐希

I.留学の概要と目的

経緯と場所:

駒沢女子大学とセジョン大学(韓国・ソウル)との交換留学プログラムで約4か月間ホテル観光学部に在籍し、さまざまな経験をしている最中です。韓国留学というと韓国語の習得を目的とするのが一般的ですが、私の場合は観光関連の学びを英語と韓国語の学習を通じて行うという「二言語習得」に挑戦してきました。

渡航前のレベルと目標:

今回の留学における最大の目標は語学力の向上でした。渡航前はTOEIC 450点程度で、まったく高いレベルではありませんでした。しかし、この留学を単なる異文化体験で終わらせるのではなく、将来英語が必要とされるサービス業で働くための土台となる「英語と韓国語、双方の語学資格を取得できるレベルまで引き上げる」ことを目標にしました。

Ⅱ.学びの内容と学習環境

履修科目:

大学では専門科目の“Principle of Hospitality Management”と“Resort Management” を、また並行して韓国語の基礎を学ぶ“Korean Language and Culture”と“Korean Thinking and Expression”を履修しました。

学習環境と課題:

英語で行われる専門科目の授業は欧米圏からの留学生が多く履修しており、講義中心ではなく議論中心の授業で非常に高いレベルでした。日本の授業との最大の違いは、「学生の積極性」だと感じました。教員の問いかけに対して、自分の意見や分析を積極的に発言し、活発に意見交換を行う授業スタイルで、自己表現の重要さを思い知らされる貴重な機会となりました。

現地での生活では、日本語に加えて英語と韓国語の「三言語が混在する環境」による特有の難しさを感じましたが、逆に韓国語の学習が同じ韓国語の勉強をしている英語圏の学生とのコミュニケーションに役に立ったりするというメリットもありました。従って、この負荷のかかる環境こそが、語学の修得および現地での生活に順応する訓練に役立ったと感じています。

  • プレゼンテーションの様子
    プレゼンテーションの様子
  • プレゼンテーションの様子
    プレゼンテーションの様子

Ⅲ.現地生活における適応と交流

生活:

生活拠点は、授業棟の上階に位置する3~4人部屋の大学寮でした。食事は学食のほか、ペダル(出前)を利用しました。また買い物も多くの店が立ち並ぶソンスという街が近くにあり不便を感じることはありませんでした。交通費が基本的にどこに行くにも安価(約1,500ウォン)であったため、休日にはソウル市内を中心に広い範囲を散策し、韓国の歴史や文化に対する理解を深める貴重な機会になりました。大学での学びはもちろんですが、こうした学外での体験も充実した留学生活につながったのではないかと感じています。

  • 学食
    学食
  • ペダル
    ペダル

人間関係:

友人関係の構築では、大学が提供する「バディー制度」がとても役に立ちました。定期的にイベントが開かれ、留学生や韓国人学生と交流する機会を提供してくれたので交友関係が広がりました。

  • ブデチゲ
    ブデチゲ

文化:

現地で体験した文化の中で特に印象的だったのは、社会的にデジタル化と効率性を重視する文化です。支払いはカード決済が主流で、飲食店ではタッチパネルによる注文が一般的、キャッシュレス化と非接触型のサービスの進化が深く浸透していることを実感しました。また、エレベーターのドアが閉まる速さなどにも、韓国社会の効率性に対する意識の高さが表れていると感じました。

Ⅳ.留学成果と今後の課題

留学の成果:

この4か月間の留学を通じて、特に英語のリスニング能力が向上しました。授業ではさまざまな意見が飛び交うので最初は苦戦しましたが、ディスカッションによって自信がつくきっかけになったとも感じます。授業での経験を通じて、グローバルな環境での「意見を主張する発言力の必要性」を強く認識しました。韓国語も独学ながら並行して勉強したので、日常会話に困らないレベルまで習得することができました。

専門知識の面では、国際的な観光業に関する幅広い知識を学ぶことができ、将来に向けての視野が大きく広がったと思います。一例を挙げると、“Principle of Hospitality Management”の授業では、自発的にソウル市内にある飲食店やホテルに訪れ、レポートを書く課題がたびたび出ました。そこで、ソウル市内の大規模な国際観光展示会に参加し、情報収集から運営や各展示についての改善点を分析したレポートを書きました。これは理論と実務との関わりを実際に理解する貴重な機会だったので、特に印象に残っています。
今回の留学における専門的学びを通じて、将来における国際的な分野・業界での就職を念頭においてさまざまなことに積極的に挑戦していきたいという強い意欲を持つようになりました。

  • 授業課題で訪れた展示会
    授業課題で訪れた展示会
  • 授業課題で訪れた水原
    授業課題で訪れた水原

おわりに:

語学力以外での大きな成長は、「先回り思考」がついたことです。慣れない環境の中で、問題が発生した際に「どうしよう」と慌てる前に「どうやって解決しよう」と先回りして考え、対策する力が身につきました。この力は、今後の社会生活において重要な財産になると思います。

日本と韓国は生活において似ている点が多く、初めての留学でも生活面で大きなストレスを感じることなく、学習に集中できる最適な環境でした。今回の留学で得た貴重な体験を糧に今後も語学の学びを継続することはもちろんですが、将来における国際的な場での就職を視野にいれながら「積極的に学び続ける姿勢」を失わずに成長していきたいと思います。

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