統合実習で老年看護領域は夜勤実習を行いました
2025/08/18
看護学科4年生の「看護学統合実習」は、学生が自ら希望する看護領域を選び、4年間の学びの集大成としてテーマをもって臨む実習です。老年看護学領域では、8名の学生が2グループに分かれて、「複数受け持ち実習」「夜勤実習」「管理実習」を実施しました。このうち「夜勤実習」と「管理実習」は、静岡県御殿場市にある国立ハンセン病療養所での宿泊実習として行われました。
実習初日:療養所を知ることから始めました
実習に先立ち、ハンセン病資料室にてハンセン病の歴史と療養所の成り立ちについて学習しました。その後は、富士山麓に広がる広大な敷地内の各施設を見学しました。急な斜面に建てられた建物が多く、移動だけでも一苦労でした。療養所内の慰霊碑では、ハンセン病療養者の方々が国の誤った政策により厳しい生活を強いられてきたことに思いを寄せ、献花を通じて哀悼と敬意を捧げました。
ハンセン病資料室
施設見学
各施設は急斜面にあります
療養所内の慰霊碑での献花
16:30 日勤のリーダー看護師から夜勤者への申し送りに
参加しました 明日の9:00までの長い夜勤実習の始まりです
20:00 消灯前のケアに看護師へ同行しました
21:00 日勤と違い、夜勤はスタッフが少ないので
休む暇がありません
23:00 入所者さんが安全安心でお休みいただいているか
巡視をしています
1:00 2時間おきに巡視をしています
3:00 巡視の時間です。この時間から起き始める入所者さんもいます
5:00 夜も明けてきました、この時間に起きている入所者さんの
朝のケアを行います
9:00 夜勤者から日勤者へ申し送りを行い夜勤実習は終了しました お疲れさまでした!
今年で5年目となる宿泊実習。これまでは、夜間は22:00~6:30まで宿泊施設での仮眠時間を含む形式でしたが、今年からは当直形式への実践場面に移行し、16:00~翌9:00まで、実際の夜勤を体験するかたちとなりました。学生たちは、初めての夜勤実習を通じて、昼間とは異なる入所者さんの様子やケアのあり方に触れ、「夜間の看護」の実際を肌で感じることができました。また、日勤から夜勤へ、そして夜勤から日勤へとつながる申し送りにも参加し、「何を伝えるべきか、何を省くべきか」といった情報の取捨選択の重要性も学びました。
夜の静けさの中で、患者さんに寄り添い、責任をもって見守り続けた時間。それは、皆さんが“看護師になる覚悟”を形にした一歩だったのではないでしょうか。ここでの経験が、これから出会う患者さん一人ひとりへの深いまなざしにつながりますように。それぞれの場所で、皆さんらしい看護を届けてくれるように、心からのエールを送ります。
文責:松戸 典文