看護学統合実習で老年領域選択の学生がホスピスを見学しました

看護学部4年生の看護学統合実習は、学生が希望の領域を選択して、主体的に実習に臨みます。老年看護学領域を選択した8名は、2つのグループに分かれて、「複数受け持ち実習」「管理実習」「夜勤実習」を行いました。このうち、「管理実習」と「夜勤実習」は、例年通り静岡県御殿場市にある国立ハンセン病療養所にて3泊4日の宿泊実習を行いました。御殿場市での宿泊実習は今年で4回目となります。

宿泊実習の最終日は、日本最古のハンセン病療養所で、現在はホスピスと介護医療院を行っている病院の見学を行いました。この病院は、キリスト教の理念に基づく病院であるため、病院に隣接してチャペルがあり、病院内でもたびたびシスターをお見かけしました。病院に到着後、チャペルにてひまわりの献花を行い、ハンセン病資料館を見学しました。

  • チャペルにてひまわりの花の献花。
    チャペルにてひまわりの花の献花。
  • 緑の多い病院敷地内を散策。
    緑の多い病院敷地内を散策。
  • ハンセン病資料館では学芸員よる説明を熱心に聞いていました。
    ハンセン病資料館では学芸員よる説明を熱心に聞いていました。

その後、ホスピスの見学を行いました。通常、ホスピスには学生の立ち入りはできないのですが、特別にご許可をいただき見学をさせていただきました。見学後には、ホスピスに勤務されている緩和ケア認定看護師のご講義を受け、ディスカッションを行いました。

大学での授業の知識とホスピスを実際に見学をして、さらに緩和ケア認定看護師とディスカッションを行ったことで、ホスピスへの理解が深まりました。また、ホスピス病棟での看護に関心を持っていた学生は、その思いがより強くなったようです。

  • ホスピスは24時間面会が可能です。
    ホスピスは24時間面会が可能です。
  • ホスピスでの看護師の役割について説明を受けました。
    ホスピスでの看護師の役割について説明を受けました。
  • ナースステーション前には患者さんや、ご家族がくつろげる開放的な空間があります。ボランティアによるピアノ演奏会や催し物も開かれています。
    ナースステーション前には患者さんや、ご家族がくつろげる開放的な空間があります。ボランティアによるピアノ演奏会や催し物も開かれています。
  • その年に召天された患者さんのご遺族が思い出を語る茶話会が年1回開催されています。学生は、ご遺族からいただいたメッセージの説明を聞き入っていました。
    その年に召天された患者さんのご遺族が思い出を語る茶話会が年1回開催されています。学生は、ご遺族からいただいたメッセージの説明を聞き入っていました。
  • ホスピス病棟見学後に、緩和ケア認定看護師とディスカッションを行う学生。
    ホスピス病棟見学後に、
    緩和ケア認定看護師とディスカッションを行う学生。

宿泊実習での元ハンセン病患者さんとの関わりや資料館での学びを通じて、「差別」や「偏見」、そして高齢者の「人権」や「権利擁護」について、深く考えるきっかけとなったことでしょう。また、ホスピス病棟を見学して、緩和ケアという選択をした患者さんが、穏やかに過ごしていることがわかり、自分の看護観を見つめる機会になったと思われます。ここでの学びが、今後看護師として行動に現れることを期待します。

文責:松戸 典文

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