看護学部 第1回公開講座を開催しました「看護師が教える! ~足腰に負担のない身体の動かし方~」

2024年11月9日(土)稲城市後援、駒沢学園総合教育センターのご協力のもと、看護学部主催の第1回公開講座を開催しました。やや肌寒い気候でしたがお天気にも恵まれ、25名の方にご参加いただきました。

この講座では、日常生活の中で、何気なく無意識に行っている姿勢や歩き方を再確認し、「意識してもできない」から「意識したらできる」を目指すことをねらいに、①負担の少ない姿勢(立位・座位)②腰・膝に負担の少ない歩き方とウォーキングとの違い③膝に負担のかからない階段昇降④生活の中での負担のない身体の動かし方(椅子に座る⇔椅子から立ち上がる、重たいものを持ち上げる、掃除機をかける、靴下をはくなど)を、実際に体験していただきました。

1.基本的な負担の少ない姿勢

講義で負担の少ない姿勢のポイントを確認した後、壁に背を向けて立ち、骨盤の位置や姿勢の偏りを確認しました。

  • 壁を利用した骨盤チェック 
    壁を利用した骨盤チェック
    日本人は、骨盤が下方に回転する「骨盤後傾」が多いですが、みなさん骨盤を垂直に立てることができるようになりました。
  • 負担のない骨盤の位置 骨盤後傾になると股関節の動きが狭くなり、太もも後ろの筋肉が硬くなるため膝に負担がかかります。反対に骨盤が前傾(反り腰)すると首凝りの原因になります。
    負担のない骨盤の位置
    骨盤後傾になると股関節の動きが狭くなり、太もも後ろの筋肉が硬くなるため膝に負担がかかります。反対に骨盤が前傾(反り腰)すると首凝りの原因になります。

2.腰や膝に負担のない歩き方

腰や膝に負担のない歩き方とは一般に言われている「ウォーキング」とは異なり、筋肉や関節に負担を避ける疲労の少ない歩き方です。日常では歩き方をあまり意識する事がないため、まず、体圧測定シートを使い、立位時の足裏にかかる重心の偏りなどを確認しました。

その後、足裏全体で体重を支え、骨盤を垂直に保った良い姿勢を保持したまま、腕の振り方、地面の蹴り方や着地の方法など、ウォーキングとの違いを意識しながら歩いてみました。

  • 体圧シーツによる足裏にかかる圧の確認 赤⇒黄色⇒緑の順で体重がかかっている事を表しています。
    体圧シーツによる足裏にかかる圧の確認
    赤⇒黄色⇒緑の順で体重がかかっている事を表しています。

3.膝に負担のかからない階段昇降

膝痛お持ちの多く方は階段を降りる際、膝が伸ばされることで痛みを感じます。そのため、なるべく膝を伸ばさず、膝周囲の筋肉収縮が分散するよう、つま先を少し階段の先に出し、膝頭を外に向け、つま先立ちをせず足裏全体で着地する方法を体験しました。

  • 膝の負担のない下段の降り方 日頃、膝痛で悩んでいる皆さんで痛みの少ない階段の下り方を実施してみました。
    膝の負担のない下段の降り方
    日頃、膝痛で悩んでいる皆さんで痛みの少ない階段の下り方を実施してみました。
  • 膝の負担のない下段の降り方 日頃、膝痛で悩んでいる皆さんで痛みの少ない階段の下り方を実施してみました。
    膝の負担のない下段の降り方
    日頃、膝痛で悩んでいる皆さんで痛みの少ない階段の下り方を実施してみました。

4.生活の中での負担のない身体の動かし方

基本的な姿勢と歩き方を体験した後、「てこ」「トルク」の原理を活用したベッドからの起き上がり方、重心移動を使った椅子からの立ち上がり方、重たい物を持ちあげる際の手の組み方、掃除機をかけるときや靴下をはくときの姿勢など日常生活の中で腰を痛めない身体の動かし方を確認しました。

  • 4.生活の中での負担のない身体の動かし方

終了後のアンケートでは、「楽しかった」「知らないことが多かった」「意識して歩いてみたい」「全ての市民に学んでほしい」など、多くの方が興味、関心を示してくださり、地域における看護学部の役割を再認識させていただきました。

長期にわたり身についた姿勢や歩き方を修正するのは、簡単なことではありませんが、足腰に負担の少ない歩き方や身体の動かし方を習慣化することで、腰痛や膝痛の軽減のみならず、認知・身体機能の維持・向上、生活習慣病の予防につながればうれしく思います。

文責:安藤 郁子

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