4年間の学びの集大成 看護の原点に立ち返った看護学統合実習

本学の看護学統合実習は、これまでの4年間の学びの集大成として、学生自らが関心のある領域の看護を深く学ぶために、自らが実習計画を立案して2週間の実習に臨みます。今回、基礎看護学領域で看護学統合実習を履修した学生は9名でした。

学生たちは、自らが関心を持っているテーマについて調べ、その現状と課題について整理する中で、各自が実習で何を取り組んだらよいのか、実習期間の中でどのような方法でそれに取り組んだらよいのか考えました。これまでの実習とは違い、自らが実習の目的・目標を明確にし、それに向かう方法を計画するということの難しさを感じながら事前準備に取り組んでいました。

そして、9名が設定したテーマは、「日常生活行動をどのように広げるか」「患者さんの持っている能力をどのように引き出していくのか」「清潔援助をより心地よくするための工夫」「終末期の患者さんの苦痛を取り除く援助」「羞恥心を考慮した援助のあり方」「患者さんとのコミュニケーションのあり方」など、看護の基本に立ち返る内容となりました。

最初は抽象的で漠然としたテーマも多かったですが、担当教員の指導を受ける中で自分の方向性を見い出し、テーマ学習に必要なワークシートも自分自身で作成しながら、自分のテーマに即した内容で実習を進めることができました。

これは、ひとえに患者さんはもちろんのこと、実習病院のご協力があってこその成果であったと思います。基礎看護学領域の統合実習では、実習病院の協力のもと、以下のプログラムで実習をおこないました。

  1. 学生自身のテーマに基づいた受け持ち患者への看護
  2. 学生自身のテーマに基づいた看護師や専門性の高い認定看護師・他職種の方へのインタビューやシャドーイング
  3. 学生自身のテーマに基づいたさまざまな話し合いやカンファレンスへの参加
  4. グループメンバー間で患者の情報を共有し、相互にパートナーシップ体験
  5. リーダーナースや看護師長へのシャドーイング

このようなプログラムは、「学生の学びたい」という要求にこたえた内容であり、普段の実習ではできない貴重な体験でした。そして、今回の実習を通して看護師が「チームとして働くこと」や「メンバーやリーダーの役割」についても身をもって学ぶことができました。

実習最終日には、学内で学生たちは自分自身のテーマについて学んだことを発表しました。発表された内容はすべて看護の基本となる考え方や技術についてであり、これから看護師として成長する際の基盤となるものでした。

学生たちはお互いの学びに真剣に耳を傾け、討論しながら2週間の学びをまとめていました。今回の実習で得たこと、学んだことは、きっと今後の看護師として働く上で核となり、各自の看護観につながるものだと思います。

今回の実習を終えて学びを共有した学生たちの姿は、実習が始まる前と比べて非常に頼もしく、「目標とする看護師になる」という強い意欲に満ちていました。

学生生活も残り半年となりましたが、目標を持って大きく羽ばたいてほしいと願っています。

文責:樋口 美樹

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