高校生の皆さん、本学で保健師を目指してみませんか?

本学では、看護師に加えて必要な単位を修得することによって、保健師国家試験受験資格を得ることが可能です(選抜制)。看護師が、療養上の世話(食事や排泄の介助など)や診療の補助(点滴や服薬の管理など)を行うことを主な役割としているのに対し、保健師は「健康診断」や「健康相談」、「健康教育」、「家庭訪問」などを行うことを通じて、地域で生活する新生児から高齢者までのあらゆる年代の人々が、健康的でその人らしい生活を送れるように支援する役割を担っています。また、保健師免許取得後は、申請により第一種衛生管理者の資格や養護教諭二種免許を取得することが可能です。

看護学科のキャリアアップへ

保健師教育課程を履修した学生は、4年生に進級後、講義や演習など実習にむけたさまざまな準備を経て、6月5日から9月8日の期間で保健師教育課程の実習を行いました。保健師教育課程に関する実習は、公衆衛生看護学実習(保健所・保健センター)4週間、学校・産業保健実習2週間の合計6週間で構成されています。加えて、看護学統合実習においても、保健師教育課程を履修している学生は、地域の機関である地域包括支援センター、社会福祉協議会で2週間の実習を行わせていただきました。
今回は、実習にむけた学内演習と実習の様子についてご紹介します。

学内演習の1つとして、学生同士で保健師役、お母さん役に分かれて、新生児家庭訪問の場面を想定したロールプレイを行いました。出産後のお母さんの体調や育児の困りごと、赤ちゃんの発育・発達や栄養状態、生活環境について観察したりお話を伺ったりしていきますが、「体重測定の手順は?」「発達は何を確認する?」「お母さんの悩みに保健師としてどのように答えたらよいか?」などを、真剣に確認しつつも和気あいあいと取り組みました。

  • 壇新生児家庭訪問での体重測定の演習場面
    新生児家庭訪問での体重測定の演習場面

学内演習の経験を生かし、公衆衛生看護学実習の中では、新生児家庭訪問での体重測定や乳幼児健診での問診などの体験もさせていただきました。

公衆衛生看護学実習(保健所・保健センター)では、実習地域の特徴についてデータを集めて地域の健康課題を分析したり、乳幼児健康診査や家庭訪問、健康相談、健康教育、健康づくりグループ活動、事例検討会議などへ参加したりして、多岐にわたる保健師の役割や多職種の方々との連携の重要性など、地域における公衆衛生看護活動の意義について学ぶことができました。

看護学統合実習では、実習期間中に地域で活動されている高齢者のグループの皆さんに健康増進を目的とした健康教育を実施させていただきました。統合実習での本番に向け、学内演習では、指導案の作成から始まり、皆で協力しながら教材作成に取り組みました。また、公衆衛生看護学実習期間中に参加させていただいた実際の健康教育場面での学びや、デモンストレーションでの指導者さんからのご助言などを踏まえて、より分かりやすい健康教育にするためにはどうすればよいのかメンバーで考え、発表内容や教材をブラッシュアップさせていきました。現場のスタッフさんの貴重なご助言と温かく見守ってくださった参加者の地域の皆さんのおかげで、学生たちは緊張しつつも企画・実施・評価といった健康教育の一連のプロセスに時間をかけて取り組んできたことを、笑顔でやりきることができました。

  • 演習での健康教育場面
    演習での健康教育場面
  • 高血圧予防のための健康教育教材
    高血圧予防のための健康教育教材

学校・産業保健実習では、中学校・高等学校の生徒や教職員に対する養護教諭の役割、および企業における労働者・経営者に対する産業保健師の役割や多職種との連携について、実際の相談場面や連絡・相談をしている様子の見学を通して学ぶことができました。

このように、保健師は乳幼児から高齢者まであらゆる年代の人々を対象に、さまざまな場で活動していることや、対象者一人ひとりの身近な存在として寄り添いながらその方々の生活を支援することを基本とし、最終的に地域全体の健康度を向上させる施策を推進していくなど多岐に渡る活動をされていることを学修しました。また、将来の自分のキャリアについても具体的にイメージすることができたようです。
これから、2月に行われる看護師・保健師国家試験合格に向けて全員で頑張ってまいります。

文責:中田 晴美

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