2021年度後期3年生の在宅看護学実習が無事終了しました

看護学部では、3年生の後期から4年生の前期にかけ、小児や母性、成人急性期・慢性期など看護専門領域別に臨地実習を行っています。

在宅看護学実習は、1クールあたり学生10名程度、期間は2週間で、8クールに分かれて行います。実習施設は訪問看護ステーションで、1施設につき1~2名の学生を受け入れていただいています。コロナ禍において、日々の感染者数や国や自治体の方針等に留意し、状況に応じて実習施設と担当教員で実習方法等を相談しながら、学生たちは感染防止対策を徹底して実習を行いました。

各実習施設と相談し、大学から学生に感染予防のための物品等を渡しています。
学生は、実習指導者の指導や指示に従いながら、利用者さん宅に訪問したら必ず最初に洗面所をお借りして手洗い(洗顔フォームをハンドソープとして使用)や、アルコールで手指消毒をするなど、感染予防策を徹底して、実習に臨んでいます。


  • 学生への貸与・支給物品例

この実習では、学生の訪問を許可してくださった利用者さん宅へ、訪問看護師の方々に同行して訪問をさせていただいています。利用者さんは、乳児や100歳を超える方、在宅酸素など医療機器を使用している方、一人暮らしの方や家族と一緒に暮らしている方、一軒家や集合住宅に暮らしている方などさまざまです。学生たちは、自宅というプライベートな空間におじゃまさせていただき、利用者さんやご家族の実際のくらしの様子を知り、生活の場での訪問看護師による具体的な支援等について学びます。また、利用者さんやご家族とお話させていただく中で、療養生活上のご意向や、病気の受け止め、これまでの人生のことなどを学生に語ってくださったり、「頑張って勉強して看護師さんになってね」など優しく励みになる言葉を学生にかけてくださることも多くありました。

さらに、各学生は、同行訪問させていただいた利用者さんの中から1名を担当し、自分が利用者さんの担当訪問看護師であると想定し、どのような支援が必要か考えます。その際、実習指導者さんやスタッフの方々からご助言やご指導をいただき、学生は病気だけではなく、利用者さんやご家族の生活、希望、不安、楽しみ、生きがい、強み、住居や地域の環境など多角的な視点で捉え、個別性を意識します。例えば、一人暮らしをしている高齢の利用者さんで、薬を飲み忘れることがないよう、家の中でよく目にする場所にお薬カレンダーを貼っていた方を受け持った学生は、「お薬カレンダーの位置をもう少し下げた方が、利用者さんの目線とあうのでは」と支援を考えました。

また、訪問看護ステーション毎に特徴があり、実習施設によって学生は、理学療養士や作業療法士の訪問にも同行させていただいたり、関連機関の病院の退院支援部門スタッフや、居宅支事業所の介護支援専門員の方と話をする機会をいただくなどさまざまな経験をさせていただいています。

最終日には学内で最終実習報告会を開催し、各学生がそれぞれの実習先で学んだことを発表します。他の学生の発表を聞いたり、学生間で活発な意見交換をすることで、学生たちは新たな視点を得たり、考察を深めたりしています。


  • 在宅看護学実習最終日の学内最終実習報告会の様子

学内最終実習報告会は、新型コロナウイルス感染者数をみながら、対面ではなく、Webミーティングで実施することもあります。

2週間の在宅看護学実習を終えた学生たちは、利用者さんや家族の在宅での生活や、訪問看護師をはじめとした医療・介護専門職の役割や連携についてイメージできるようになり、家族看護や退院支援の重要性を実感するなど多くの学びを得ています。そして、本実習での学びを今後に生かしたいと展望をもって、次の領域実習に臨むようになっています。

2022年1月に今年度後期の在宅看護学実習が無事に終了することができました。学生たちが適度な緊張感を保ちつつも伸び伸びと実習し、多くの学びを得ることができたのは、学生に臨地で学ぶ機会をくださり、あたたかく迎えてくださった実習施設の方々と、利用者さんやご家族の皆さまのおかげであり、心より感謝いたします。

文責:村井恵子 戸村ひかり

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