初めての精神看護学統合実習を行いました

看護学部1期生は、4年間で最後の実習となる「統合実習」を2021年7月26日~8月6日の2週間で行いました。統合実習は、今までの学びの集大成として、学生自身が自分の興味・関心のある領域を選んで参加します。ここでは精神看護学統合実習の様子をお伝えします。

実習の事前課題では、それぞれの学生が興味関心のある領域の現状と課題について調べ、自分自身の課題を明らかにすることを目的にレポートを作成しました。それぞれの学生の課題に合わせ、精神科急性期看護を入院病棟で学ぶグループ、長期入院となっている精神障がい者の地域移行支援を病棟と訪問看護ステーションで学ぶグループ、精神障がい者の地域生活支援をデイケアと就労継続支援事業所で学ぶグループの3グループに分かれて実習を行いました。

3年後期から4年前期にかけて行われる領域別臨地実習では、精神看護学領域は学生1人が1人の患者様を受け持ち、看護計画を立案・実施します。統合実習では、より現場の看護に近い体験ができるよう、学生複数名で看護チームを作り、複数名の対象者をチームで受け持ちました。チームメンバーと日々話し合い、1人では見えなかった対象者のいろいろな面に気づいたり、ケアの根拠は何かを振り返ったり、倫理的問題を学生の視点で検討したり……チームならではの看護体験ができたのではないかと思います。

精神科デイケア・就労継続支援事業所で実習を行ったグループは、渋谷区にある「ストライドクラブ」という就労継続支援事業所で1日実習をさせていただきました。ストライドクラブは「クラブハウスモデル」という運営スタイルをとっており、精神障害を抱えるメンバーとスタッフが横並びの関係の中で共働し、クラブを維持するためのさまざまな活動・仕事を行っています。学生も参加させていただいた就労支援プログラムでは、メンバーと共に学生自身も、ワークシートに記入しながら「働く」とは自分にとってどういうことか、考えていく体験となりました。

  • 就労支援プログラムで使ったワークシートです
    就労支援プログラムで使ったワークシートです。

スタッフの方々は、メンバーの持つ希望をとても大切にしており、「EXILEになりたい」という思いを持つメンバーと一緒に芸能事務所に電話をしたり、「宇宙飛行士になりたい」という願いを持つメンバーと宇宙に関連のある仕事を探したりしている、と話してくださいました。こうした強みや希望=「ストレングス」を大切にし、そこに支援者が一緒に働きかけていくことで、自分の力を取り戻しリカバリー(回復)していくことを目指す、という考え方を「ストレングスモデル」とよびます。学生にとって、この精神看護でとても大切な「ストレングスモデル」の実際に触れる体験となったと感じました。

  • ストライドクラブではメンバーとスタッフで作ったお昼ご飯(美味しい!)を一緒にいただきました。
    ストライドクラブではメンバーとスタッフで作った
    お昼ご飯(美味しい!)を一緒にいただきました。

ストライドクラブではメンバーとスタッフでお昼ご飯を作っています。実習中は学生も一緒にいただき、その美味しさに感動していました。この写真はゴールデンウィークに作ったスペシャルランチだそうです。

実習最終日に、学内で3グループの学びを共有するカンファレンスを行いました。どのグループも充実した実習となり、統合実習での学びが自分自身の看護観を培う体験となったことが感じられました。

文責:精神看護学 岡京子

看護学科ニュース :新着投稿