「キウイの芯(果心部)にビタミンCがダントツに多い」は誤った情報です

最近刊行された書籍に、「キウイのビタミンCは、中心の白い部分(芯)にダントツに多く含まれている」という内容の記述がありました。

長年キウイフルーツ果実成分の研究を続けている私でも聞いたことがなく、にわかには信じられない話でした。

さっそく文献を調べてみましたが、そのような情報は見つからず、また「ダントツ」という非科学的な用語にも大きな違和感を覚え、疑念をもちました。

そこで、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、実際に自分で測定してみました。

結果は右図のとおり。

結果は下図のとおり。

果心部にダントツに多いどころか、逆に果心部では周囲の果肉よりもビタミンC含量が少ないことが示されました。

いずれの品種でも、果心部のビタミンC濃度は周囲の果肉の70%程度でした。


  • 市販の可食期のキウイフルーツ果実を用いて、Nishiyama et al. (2004) J. Agric. Food Chem., 52, 5472-5475に記載の方法で測定した。デヒドロアスコルビン酸を含む総アスコルビン酸量として表示した。
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  • 市販の可食期のキウイフルーツ果実を用いて、Nishiyama et al. (2004) J. Agric. Food Chem., 52, 5472-5475に記載の方法で測定した。デヒドロアスコルビン酸を含む総アスコルビン酸量として表示した。
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急ぎ出版社に問い合わせましたが、「果心部にビタミンCが多い」ことを示す根拠資料が提示されることはありませんでした。書籍の増刷時に修正されるようです。

皆さまにお願いです。

「キウイの芯にはビタミンCがダントツに多い」などという根も葉もない誤情報を、WEBや雑誌の記事、テレビ番組、SNS等で拡散されないように、ご協力をお願いいたします。

さももっともらしく聞こえて新規性もあり、料理研究家やバラエティ番組の制作者の方々が好みそうな話題ですので、とても心配です。

繰り返しになりますが、絶対に誤情報を拡散しないでください。


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