キウイフルーツの新品種「ゼスプリ・レッド」

西山一朗

4月も半ばになると、ニュージーランド産キウイフルーツを見かける機会が多くなります。これまで販売されていた国産キウイフルーツの季節が終わり、スーパーマーケットの果物売り場や青果店の店頭に、ニュージーランド産のグリーン・キウイフルーツサンゴールド・キウイフルーツがたくさん並ぶようになります。緑と黄色のキウイフルーツが売られているという、今ではすっかりおなじみの風景ですが、今年はこれに赤いキウイフルーツが加わるかもしれません。

その名は「ゼスプリ・レッド」。ニュージーランドで20年以上の歳月をかけて開発された新品種です。正式な品種名は、‘ZES008’といいます。その最大の特徴は、下の写真のように果心を除く果肉全体が鮮烈な赤色を呈することです。「キウイフルーツは緑や黄色」という既成概念を打ち砕く、インパクトある色調です。これまでにも、レインボーレッドさぬきエンジェルスイートなどの赤色色素を含む品種はありましたが、ゼスプリ・レッドの果肉の赤さは群を抜いています。


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グリーンやサンゴールドに比べると、果実は少し小型です。表面は完全な無毛で、果頂部(写真では下側)はへこんでいます。果肉は軟らかくなめらかで、酸味は少なく上品な甘さと香りを感じます。これまでのキウイフルーツとは少し違った独特の味わいです。

ビタミンCは可食部100g当たり189mgも含まれており、グリーン(88mg)やサンゴールド(152mg)をもしのぎます(ゼスプリ インターナショナル社の調査による)。ビタミンCの成人1日当たりの摂取推奨量が100mgですので、ゼスプリ・レッドをたった1個食べるだけで、1日推奨量の150%ものビタミンCを補給できる計算となります。また、赤色色素であるアントシアニンも抗酸化作用を示します。このゼスプリ・レッドに含まれるアントシアニンの健康への効果についても、現在、ニュージーランドを中心に研究が進んでいるようです。

このように魅力がいっぱいのゼスプリ・レッドですが、入手はなかなか難しそうです。まだ流通量がかなり少ないため、今年は限られた店舗での4月下旬から5月いっぱいまでの販売になるようです。もしも運よく見かけることがありましたら、ぜひお試しください。

(注意)キウイフルーツアレルギーの方はご注意願います。

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