ゴールド・キウイフルーツのビタミンC
2015/04/21
日常生活の中でちょっと気になる健康の話や、栄養に関する話題や知識を取り上げました。また健康に良い料理のレシピなどを紹介します。
西山一朗(理学博士)
4月も半ばを過ぎゴールデンウィークが近づくと、ニュージーランド産キウイフルーツの季節となります。店頭からはそれまでの国産キウイフルーツが姿を消し、ニュージーランド産のグリーン・キウイフルーツとゴールド・キウイフルーツが並びます。
ゴールド・キウイフルーツは1998年から日本国内での販売が始まり、ゼスプリ・ゴールドの商標で今ではすっかりおなじみになりましたが、これが2010年頃からサンゴールドという別の品種に徐々におき替わっていることにお気づきでしょうか。
もともとのゼスプリ・ゴールドは‘Hort16A’という品種で、果実の先端(果頂部)が少し突き出た果形と薄黄色の果肉が特徴の果実です。これに対して2010年から徐々に増えてきたサンゴールドは‘ZESY002’という品種で、果実の先端部が丸く果肉の黄色が幾分濃い特徴があります。
いずれも糖度が高く美味しいキウイフルーツですが、ゼスプリ・ゴールドは酸味が少なく甘さが際立ち、一方のサンゴールドは酸味もきいていて、キウイフルーツらしい食味が楽しめます。
また、キウイフルーツ果実の代表的な機能性成分であるビタミンCの含量については、可食部100gあたりゼスプリ・ゴールドが115mgに対してサンゴールドは140mgと、非常に高い値を示します。ちなみに普通の緑色果肉のキウイフルーツではこの値が70mg程度ですので、サンゴールドではその2倍ものビタミンCが含まれることになります。ビタミンCの成人1日当たりの食事摂取基準が100mgですので、中型のサンゴールド果実を1個食べると、それだけで1日必要量の1.5倍近くのビタミンCを補給できる計算になります。
ビタミンCは、体内でのコラーゲン合成を高めて血管や骨を丈夫にするほか、鉄の吸収を高めたり、抗酸化作用を発揮することによって健康をサポートする成分です。ハーフカットでスプーンなどを用いて手軽に食べられるキウイフルーツを、ビタミンCの補給に上手に利用するのもよい方法だと思います。
(注意)キウイフルーツで食物アレルギーを発症する方もいますので、ご注意ください。