留学生と巡る北京

観光文化学類 杉野知恵

駒沢女子大学には、現在35名の留学生が学んでいます。今回、夏休みで一時帰国している留学生2名(観光文化学類の黄さんと心理学類の劉さん)に北京を案内してもらいました。

2019年は天安門事件から30年。最近の報道で目にする香港のデモから天安門事件に思いを馳せる人は私ばかりではないと思います。初めての北京観光で天安門広場から故宮にかけてのルートは外すわけにはいきません。しかし、広場の入り口で待ち受けていたのは、人、人、人。入場前に身分証の確認と荷物検査があり、検査を待つ人の列(厳密には列になっていないので塊に近い)ができていました。この日は35度近くの炎天下。検査まで1時間以上待ちました。観光を勉強している黄さんは、中国をより魅力的な観光地にするためには、こうした手続きの効率化が必要だと指摘します。

  • 天安門広場への入場を待つ人々
    天安門広場への入場を待つ人々

そしてようやく広場に到着!実際に来てみると、その広さに圧倒されます。1時間並んだ甲斐がありました。

  • 天安門広場にて留学生と
    天安門広場にて留学生と
  • 故宮(大和門)の石の彫刻の前で
    故宮(大和門)の石の彫刻の前で

さらに故宮へ進むと次々と壮大な建造物が現れます。昔は故宮の敷地はもっと広かったと劉さんが教えてくれました。あまりに広いので、果物や小吃(スナック)などを食べたり、水分を取ったり、あちこちで休憩する人がいます。日本では、文化遺産などの参観中は飲食禁止の場合が多いですが、この規模では一日がかりとなる上、日蔭も少ない炎天下の中では、飲食禁止とは言っていられない事情があるようです。

ところで、検査と言えば、空港の手荷物検査のようなチェックが地鉄(地下鉄)の駅でも行われていました。安全のためには多少の不便は仕方ないということなのでしょう。各駅の入り口毎にこうしたゲートがあるので、相当の人員が割かれているのがわかります。各車両にもスタッフが乗車しています。地鉄だけでなく、路線バスにも運転手に加え、乗務員が2名ほど配置されていました。

  • 地下鉄での荷物検査
    地下鉄での荷物検査

さて、こんな暑い日には、酸梅湯がおススメです。梅の酸味と甘みがあり、少しスモーキーな味わいがあります。中国では暑い夏でも飲み物をギンギンに冷やすことはないそうで、ステンレスボトルに暖かいお茶をいれて飲んでいる人を多く見かけました。

  • 老北京(北京っ子)の夏の飲み物
    老北京(北京っ子)の夏の飲み物

もう1つ、北京で見ておきたかったのが、盧溝橋と抗日戦争記念館です。戦争中の状況を想像しながら今の世の中を見つめると、平和の重みが増すように感じます。

平和があってこその繁栄の象徴の1つが、王府井エリアです。日本でいうなら銀座をより大きくしたようなショッピングセンターです。最近では、南鑼鼓巷という原宿・表参道のようなおしゃれな街も人気で、確かに若者の姿はこちらの方が多い気がしました。

  • 盧溝橋
    盧溝橋
  • 王府井(ワンフーチン)の歩行者天国
    王府井(ワンフーチン)の歩行者天国

中国と言えば、食事も楽しみの1つです。二人のおかげで、今回はおいしい発見と驚きがいくつもありました。その報告はまた今度。

その国の人と一緒に巡ると、ガイドブックとはまた違った観点から文化や習慣、考え方を知ることができ、旅がより一層楽しくなりますね。

黄さん、劉さん、謝謝!

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